立憲・枝野氏、合流新党の代表選に出馬表明 「国民の声に応える政治実現」
立憲民主党の枝野幸男代表は4日、記者会見し、同党と国民民主党議員らで結成する新党の代表選に出馬する意向を表明した。代表選には、国民民主党の泉健太政調会長も立候補を表明している。 【動画】「合流新党」の代表選出馬へ 立憲・枝野氏が会見 新党は国会議員約150人規模となるという。
日本版CDCや中間層の所得税の時限的減免
会見で、枝野氏は新型コロナウイルス対策について「政府が機能していない。これが私の率直な実感だ」と主張。 また、アルバイト先が休業で生活費を払えない大学生らから「政治に私たちが見えていますか」と問いかけられたことを紹介した上で、「与党も野党も関係ない。政治家はいったいどこを見て政治をやっているんだ。今回合流する最大の目的は、こうした問いを正面から受け止め、国会で戦う力をより大きくし、政治の緊張感を取り戻して、国民一人一人の声に応えることのできる政治を実現することだ」と合流の意義を強調した。 枝野氏は、「『政治に私たちは見えていますか』という問い掛けに対して、政治はちゃんとあなたを見ている。政治はあなたのぶつかっている現実の壁を知ろうとし、共にその現実を変えるために存在している。自信を持って真っすぐに国民のみなさんに伝えられるよう私自身が大きく踏み出さなければならない。そうして始める新党を引っ張っていかなければならない、こう決意した」と代表選に出馬するに至った心境を語った。 具体的な政策として、コロナ対策では、省庁横断的な感染症予防管理センターである「日本版CDC」を創設し、強力な司令塔を設けてPCR検査を拡充していくとした。医療や介護、保育、放課後児童クラブや障がい福祉などベーシックなサービスへの公的支出の拡大を目指すほか、経済・税制に関しては、年収1000万円程度までの中間層を中心に所得税の時限的な減免や消費税の時限減税などを掲げた。
新党の党名、「立憲民主」が最適
枝野氏は、「この間の与党一強政治が進めてきたのは、国民の暮らしの声に寄り添うことなく、憲法などで定められた、手続きすら無視して数の力で押しきること」と現政権を批判。 その上で「緊張感のある政治と、まっとうな手続きに基づき、草の根の暮らしの声に寄り添った、真の民主主義『立憲民主主義』を取り戻す。この姿勢こそが私たちの、現在の与党とも明確に異なる対立軸。私はこの『立憲民主』と言う党名こそ自由民主党とは明確に異なる、根本的な姿勢と理念を表すのに最もふさわしいと考えている」と訴えた。
枝野氏の略歴
枝野氏の公式サイトなどによると、同氏は1964年生まれの56歳。東北大学を卒業し、弁護士となった後に1993年の衆院選に日本新党から出馬して初当選。民主党の結党に参画し、同党の幹事長、政調会長などを歴任。民主党政権時代には、菅直人首相の下で官房長官を務め、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故の対応に当たった。2017年に立憲民主党を設立して代表に就任した。