立憲・枝野代表 安倍首相辞任「政治は新しいフェーズに入っていく」
立憲民主党の枝野幸男代表が31日、定例会見を開き、安倍晋三首相が辞任の意向を表明したことを踏まえ、「政治は新しいフェーズに入っていく。1強と呼ばれる状況を許してしまった反省と教訓を踏まえ、新しく政党を合流させてスタートする。政治の流れを反転させていくきっかけを作っていきたい」と述べ、立憲民主党と国民民主党などとの新党結成で政権交代につなげていきたい考えを示した。 【動画】立憲・枝野代表 安倍首相辞任「政治は新しいフェーズに入っていく」
安倍政権の7年8か月で「歪みだけが拡大」
持病である潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)の再発を理由に辞任することになった安倍首相に対しては「健康自体が理由ということは誰よりも安倍総理自身が残念だと思う。一日も早くご快癒されることをお祈り申し上げたい」と労った上で、「我々としては、国会論戦や選挙を通じて退陣に追い込むという我々の役割が果たせなかったことは残念」と述べた。 第2次政権以降としては7年8か月もの長期に及んだ安倍政権については、第2次大戦以降の大量生産、明治以降の近代化などの経済成長路線が「従来の延長線上ではうまく行かなくなっているのが、ここ10年15年の日本の置かれている状況」だと分析。とりわけ「バブル崩壊以降、それまでの路線がうまく行ってない状況を、何とか現状維持するために無理を重ねた7年8か月だったと受け止めている。無理を重ねた結果、時代状況に合っていないので、歪みだけが拡大していった」と評価した。 さらに「課題はその中で生じてきた歪みだ」と指摘。「格差と分断、そして貧困、国内の個人消費の冷え込みを定常化させてしまい、日本経済と社会の活力を大幅に失っている。それが日本社会の決定的な課題。その課題が特に新型コロナウイルスの影響でより顕在化している」と述べ、そうした課題を生み出してきた「経済運営、政治行政のあり方を転換していく。新自由主義的な発想から脱却し、過度な自己責任をあおる社会構造を転換させ、支え合い分かち合い、それを支えるための機能する政府を取り戻していく。それを力強く訴えて行くことを通じて政権交代につなげていきたい」と語った。 安倍首相の辞任によって「早い解散の可能性は高まっている」と警戒し、「現状は10月25日という一番早いケースを想定して準備を進めていく」とした。合流新党については、「衆議院で100を超えることができれば、2009年の政権交代直前、2012年の我々が政権を失う直前の最大野党の規模を生み出すことができる」と期待感を示した。