「3歳娘の“あちゅい”が耳にこびりついている」…東名女児2人死亡事故 両親の25年
保孝さん「私は助手席にいて、完全に眠ってたわけじゃないんですけどちょっと、ウトウトとしていたんですが、突然、ガガッ!ていう音がしてそのあとは、ガガガガガガッ!と押された。それで、前の車に、ガシャンって、音がして、止まって」 「後ろの子どもたちも『わーっ!』と言って『とにかく逃げよう』と2人で話をして、扉を押そうとしたんですけどその時にもう私の左腕が挟まっているのが分かってそれで、とにかく『そっち側開かない?』って聞いたら『開かない』と」 郁美さん「『窓から逃げよう』と声をかけて、パワーウインドウのボタンを押したら、窓がスルスルスルッと降りてくれて、私はそこからするりと抜けることができました」 「すぐに後ろを振り返って『周子・奏子を引っ張り出さなければ』と思ったんですけれど、車の後ろの扉には触ることはおろか近寄ることさえできないくらい、ものすごい熱に包まれてしまっていて…。その瞬間に『奏子たちはダメだ』って思いました」 保孝さん「窓が開いたからだろうと思うんですけど、後ろからふわっと火がお尻の下に、お尻の下が熱くなってきて、挟まっている腕と体がやっぱりものすごく熱くなった」 二人の姿は見えたのだろうか? 保孝さん「いや、思い出せないですね。左腕が挟まっていたから後ろを見えるような角度じゃなかった。右手は外の方につかまれていた」 郁美さん「私はそのあと、助手席側に回って、主人の体が一部見えたんですね。近くにいた人に『一緒に引っ張り出してください』と手を貸してもらって、ずるずるずる、と主人が引きずり出された」 保孝さん「引っ張り出されていく時に、かなこが赤ちゃん言葉っていうのですかね、『熱い』とは言えずに『あちゅい』って発したのがずっと耳にこびりついている」 郁美さん「事故車両にとても近づけるような状況ではなかった。『消防車呼んでくれてますか?』『119番してくれましたか?』って。あまりにも消防車って到着できないんだなって。永遠に到着しないんじゃないかなって思うくらい消防車が来なくてその間どんどん炎は、激しくなっていて…」 郁美さん「奏子・周子が取り出されたのは私がもう救急車に乗せられて、現場から去ったあと。完全に炎が消し止められて。トラックのタイヤが私たちの乗用車のトランクの上に乗り上げて、それを引き裂くようなことをやって、やっと奏子・周子たちを取り出すことができた、とあとから分かった」