【速報】ついに発射台でブースターを空中キャッチ スペースXが「スターシップ」の第5回飛行試験を実施
アメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)は日本時間2024年10月13日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第5回飛行試験を実施しました。Starship宇宙船は宇宙空間を飛行後に大気圏へ再突入し、発射から1時間ほど後に予定通りインド洋への着水を行って飛行を終えています。 直近のロケット打ち上げ情報リスト
Starshipとは?
Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。今回の飛行試験は2024年6月に続く5回目の無人飛行試験で、計画ではSuper Heavyブースターは発射約7分後に発射台へ帰還し、Starship宇宙船は発射約1時間5分後にインド洋の目標地点へ着水することになっていました。
Super Heavyブースターの空中キャッチに成功
アメリカ・テキサス州ボカチカにあるSpaceXの施設「Starbase(スターベース)」から日本時間2024年10月13日21時25分に打ち上げられたStarship宇宙船は、発射約2分40秒後(※発射からの時刻等の情報はSpaceXのライブ配信を参照して確認、以下同様)にSuper Heavyブースターを分離しました。 ブーストバック燃焼(飛行経路に対する逆噴射)を行ったSuper Heavyブースターは、今回が初となる発射台への帰還を目指して降下。発射約6分30秒後に着陸噴射を開始して降下速度を緩めると、発射台に備え付けられている巨大なアームに挟み込まれるようにして空中でキャッチされました。
Starship宇宙船はインド洋に着水
一方のStarship宇宙船は発射約8分30秒後に高度約150kmでエンジン燃焼を停止して慣性飛行に移行し、発射約46分後に高度100kmを下回って大気圏への再突入を開始。プラズマ化した大気に包まれて減速しながら降下していくStarship宇宙船の様子は、今回もSpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」経由で配信されました。 SpaceXによれば今回飛行したStarship宇宙船は熱防護システムがアップグレードされていたものの、前回の第4回飛行試験の時と同じように一部のフラップのヒンジ部分が損傷していく様子が写し出されました。それでも制御が失われなかったStarship宇宙船は海面付近で機体を水平姿勢から垂直姿勢に起こして着陸噴射を行い、発射約1時間5分後にインド洋へと着水。ライブでは着水後に宇宙船が爆発した様子を海上のカメラで捉えたものとみられる映像も配信されました。 Starship第5回飛行試験の詳しい結果については新たな情報が発表され次第お伝えします。 Source SpaceX - Starship's Fifth Flight Test SpaceX (X)
sorae編集部