これがTBS「サンモニ」と張本氏の謝罪文の全文!…五輪女子ボクシング“蔑視発言”を巡る大御所の反省談話にネットはさらに炎上
連盟の抗議文は佐々木社長宛で出されていたが、謝罪文の差出人には連名でも社長の名前がなかった。TBSのトップが管理責任を逃れ、現場の番組制作サイドに責任を押し付けたと取られてもおかしくない形になっているが、この謝罪文で連盟側は納得。 「当連盟からの抗議文に対して、内容を十分に汲み取った、迅速かつ真摯な対応をして頂いたと思います」と、理解を示すコメントを発表し、「当連盟は、今後も各メディアと協力し、ボクシング競技と選手たちの魅力を伝えていきたいと思います。皆様の温かいご声援をよろしくお願い致します」とした。 だが、ネット上は、この謝罪文の内容を巡って大炎上。「火に油を注ぐ」状態となっている。一報を報じた記事のヤフーのコメント欄には1万件を超えるコメントがついている。“ネット民”の批判の的となったのは、張本氏の「言葉足らず」という釈明部分。ヤフーのコメント欄では「言葉足らずではなく言葉が過ぎた」「言葉足らずの一言で済ますことができない」「張本氏は問題の本質を理解しているのだろうか」「見苦しい言い訳」「このコメントと放送中のコメントがつながらない」などという厳しい意見が多く、張本氏の「反省コメント」に対し「あっぱれ!」ではなく「喝!」の声がほとんどを占めた。 東京五輪・パラリンピック組織委員会会長だった元総理の森喜朗氏が「女性蔑視発言」で辞任に追い込まれた事例に重ね、番組の打ち切り、あるいは、張本氏の降板を求める意見も少なくなかった。 放送内のコメントと「ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです」という説明は、とうてい結びつくものではない。 しかも、張本氏は、故・白井義男氏やファイティング原田氏の名前を出しているが、2人はプロボクシングの世界王者であり、アマチュアボクシングとは似て非なるもの 。プロとアマではルールもラウンド数も計量日時も違い、世界ベルトの価値と金メダルの価値は比較できるものではない。日本でただ一人、その両方を手にしているロンドン五輪金メダリストで、現WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)は、「客観的な価値観で言えば世界ベルトより金メダルが上。でも主観的な喜びで言えば金メダルより世界王者が上」と語っていた。 張本氏が「反省コメント」の中で例に出すべき名は白井氏や原田氏ではなく、57年前の東京五輪のバンタム級で日本人初の金メダルを獲得した桜井孝雄氏や1960年のローマ五輪で銅メダルを獲得した田辺清氏だったのだろう。野球界の大御所である張本氏のアマチュアボクシングに対する理解と認識の浅さを示す「反省コメント」だが、何も競技に対する知識不足は悪いことではない。ただ、その本質を知らない競技であるのならば公共電波にのって視聴率を稼ぎ、影響力がある番組内の言葉は慎重に選び配慮すべきだった。張本氏が金字塔を残した野球界のプレーの拙さやチームの負けに「喝!」とやるのとはレベルの違う話である。多様性が尊重される時代なのだ。