なぜ日本ボクシング連盟は「サンデーモーニング」張本氏の“女子ボクサー蔑視発言”に訂正求める抗議文を出したのか…TBS反応は?
過去にも数々の波紋を広げてきた“張本節”もついに大御所のたわごとでは済まなくなった。日本ボクシング連盟は11日、東京五輪の報告会を行い、TBS系の「サンデーモーニング」の番組内でコメンテーターを務める野球界の“ご意見番”張本勲氏(81)から「女性及びボクシング競技を蔑視した」と思わせる発言があったことに対し10日付でTBSの佐々木卓社長宛に抗議文を送ったことを明らかにした。問題発言が起きたのは8日の「サンデーモーニング」。 リモートで出演した張本氏は、東京五輪の女子ボクシング、フェザー級で入江聖奈(20、日体大)が日本ボクシング女子として史上初の金メダルを獲得したことに触れ、「女性でも殴り合い好きな人がいるんだね。どうするのかな、嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って、こんな競技好きな人がいるんだ。それにしても金だから、“あっぱれ”をあげてください」と発言した。 「女性でも」や「こんな競技」など女性及び競技としての女子ボクシングを蔑視したとも取れる発言内容に対してSNS上は大炎上したが、ここまで長期プランを練り、「女性も楽しめる・活躍できる競技でなければ競技の普及や発展には繋がらないとして考え、世界に倣って啓発と普及に努めてきた」(抗議文から)連盟としては、この問題は看過できず、正式に抗議文を発送した。 連盟の内田貞信会長は、「サンデーモーニングは大好きな番組でよく見ている」とした上で「ボクシングを愛している方々、女性のためにも誤解をされたくないので抗議文を出させていただきました。もっと理解をもってボクシングを見ていただきたい。入江も並木も礼儀正しく、女性らしい気配りのある素晴らしい人格を持った選手。誰もの模範となるような女性ですので、ボクシングを理解していただき、張本さんにはスポーツの楽しさ、価値観を伝えていただけるように要望したいと思っております」と、抗議文を発送した経緯について説明した。 連盟では役員に女性を登用するなど「調和と多様性」を確保する組織改革にも積極的に取り組んでいるという。 抗議文では、そもそもボクシング競技が五輪での歴史が長く「技術・戦略・戦術を駆使する競技で殴り合いではありません」ということを強調。張本氏の「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って」という間違った認識に異議を唱え、さらに女子ボクシングは2012年のロンドン五輪から採用された新競技であり、試合ではヘッドギアを装着し、試合前後の医師による健診、試合中のリングサイドの医師の常駐の義務化など「男子以上に安全面に配慮された」競技であることを丁寧に説明した。