休日までスマホ漬け...日本人の「休めない脳」の正体
休むことに罪悪感を持つ日本人
日本人が充実した休日を過ごせない背景には、大きく分けて、次のような二つの理由が考えられます。 【理由①】長時間労働の問題 厚生労働省の調査(2022年)によると、日本人の年間総実労働時間は1700時間を超えています。 減少傾向にあるとはいえ、各企業で働き方改革が進んでいる現在でも、依然として長時間労働が続いています。仕事に追われる日々を送っているため、休日の予定を立てるような余裕が持てないのが現状です。 【理由②】休日に対する意識の問題 弊社が2023年11月に実施した調査(1万7852人対象)では、「休むこと=怠けている」という意識を持っているビジネスパーソンが「61%」を占めており、多くの人が、休むことに対して「罪悪感」や「後ろめたさ」を感じていることが明らかになっています。 世界水準のエリートであるエグゼクティブの休日の過ごし方には、大きな共通点があります。 彼らは、休日を「何もしない時間」と考えるのではなく、「積極的にエネルギーをチャージする時間」(休養)と「知的エネルギーを蓄える時間」(教養)と位置づけているのです。 彼らのような世界水準のビジネスパーソンが休日に求めているのは、心身のエネルギーをチャージすることによって、「自己効力感」を高めることです。自己効力感とは、米国スタンフォード大学教授の心理学者アルバート・バンデューラ博士が提唱した概念で、目標を達成するための能力を自分が持っていると認識することを指します。 シンプルにいえば、「自分ならできる」とか、「きっとうまくいく」と自分の可能性を肯定的に認知できる心理状態のことであり、前向きな気持ちを手に入れ、パワフルに働くことで、仕事の生産性を高めるためには極めて重要な要因となります。 だらだらと時間が過ぎていくのを待つのではなく、自分で決めた休日の過ごし方を主体的に楽しむことで、自己効力感を高めているのです。