篠田直哉(メモ少年)「ロバートの元ストーカーからテレビ局員に。自分なりの100点を目指してきたから、明日死んでもいいなと思える」
◆採用的には「なに枠?」 池松:人事採用的には「なに枠」で見られていたんでしょう?採用には、そういう枠があると思うのですが。 遠山:篠田くんは「段々と評価を上げていくタイプ」でした。選考が進むにつれて、自己表現が出てきたのです。制作チームからは「メモ少年」という面白い子がいると情報が入っていましたが、採用試験ではフラットに見ることが重要だと思っています。だから、その情報がありつつも先入観を持たないように、固定観念なしで評価しました。しかし、篠田くんはエントリーシートや面接でも「自分がメモ少年だ」とは前面に出さなかったのです。我々としては、その「武器」で勝負してくるだろうと予想していたのですが、意外にもそこには触れてこなかった。むしろこちらから、その話を聞きに行くような展開になりました。面接が進む中でも、そのスタンスは一貫してましたね。しかし掘り下げていくと、ネタがたくさんある。聞けば聞くほど、どんどん出てくるという感じでした。 池松:えー!それって秋山歌謡祭のコンテンツ構成そのものじゃないですか!ひょっとして僕も乗せられていたかもしれませんね。(笑) 篠田:いやいや、そんな計算してないですよ!(笑)。たぶん、後から振り返って今の仕事ぶりを見て、美化されているような気がします。(困り顔) 遠山:いま振り返ると、特にインターンのときに「その場でやるべきことを前向きにやろう」という姿勢が際立っていました。放送局でコンテンツを作る人間は、自発的に動くこともあれば、仕事を与えられることもありますが、どちらでも「どうすれば良くなるか」を考えることが求められます。その点では、確実に目立っていました。 池松:そこにビビッと来たんですね。人事部の視点で言うと、それはどう表現しますか? 遠山:「自分の好きなことを胸を張って『これが好き!』と言える人」ですね。「それ面白いですね!」とか「コレを僕は好きなんです!」と言うのは、簡単なようで意外に難しいですよね。私自身も、自分の趣味を「これが好き!」と堂々と言うのは難しいと思います。