北陸新幹線「米原1兆円 vs 小浜5兆円」 そろそろ東京側の二重系も視野に入れた「フェアな議論」が求められるワケ
池袋駅直下に新幹線計画
東北新幹線が東京、上野、東海道新幹線が東京、品川に停車することから、上越新幹線も新宿や池袋に停車するのではないかと思う人もいるだろう。 実際、埼京線の池袋駅を見ると、埼京線と西武池袋線の間に 「線路が敷かれていない空間」 があることに気付くはずだ(保線車両置き場はあるが)。実は、この空間の直下に 「新幹線駅を作る計画」 があったようだ。国鉄東京第三工事局が発行した「東三工十年史」(1977年11月号)の「4.主なターミナルの姿」には、池袋駅の将来図が掲載されており、現在の埼京線新宿方面ホームとその西武側の空き地(保線車両置き場)の直下に、新幹線駅の2面4線分程度のスペースが描かれていることがわかる。
副都心線設計の裏側
その後、「第29回停車場技術講演会」で、国鉄東京第三工事局調査課の荒井良明氏が池袋駅について、 「北陸・上越新幹線のルートは池袋駅周辺を通過することになり、今のところ現在線の直下がそのルートと考えられている」 と述べていたようだ。 そのため、都営新宿線と同様に、副都心線の駅位置が西側に寄っており、駅東側は急な下り坂になって、新幹線用のスペースを避けるように建設されている。 また、東北新幹線は田端、東海道新幹線は大井に車庫があるが、上越新幹線も池袋駅北側にある山手線車庫の直下に車庫を設置できればなおよいだろう。
新幹線計画の行方と課題
池袋から大宮までのルートはどのように考えられていたのだろうか。 過去の新聞報道によると、池袋から赤羽までは埼京線直下を通り、赤羽から大宮までは、武蔵野線の開業により不要となる予定だった東北貨物線、現在の湘南新宿ラインの線路を剥がしてそこに新幹線を通す計画だったようだ。 しかし、現在新たにこのルートを作るとなると、湘南新宿ラインを廃線にすることはできないだろう。 そのため、別のルートを考える必要がある。これについては後で詳しく検討する。