【日本人なら楽しみたい】「中秋の名月」今年は“土星”も見える!? 鑑賞のコツ 江戸時代からの風習で「極上のお月見体験」のやり方は?
満月の日に限らず、毎日同じことが起きます。つまり、「月の出」は毎日少しずつ遅れるということです。 江戸時代には、日々変化する月の出を愛でる「月待ち」という風習がありました。 十六夜の「いざよう」とは「躊躇する」という意味です。名付けた人は、満月から少し欠けた月が約50分遅く昇る様子を見て、月が不完全な姿を見せるのをためらっていると思ったのでしょうね。 その翌日の月を「立待月(たちまちづき)」といいます。十六夜から約50分遅れて昇るのを立ちながら待つことから来ています。
その翌日の月は「居待月(いまちづき)」。さらに約50分遅れてくるから、もう立っていられず、居座って待つということです。 となると、その翌日の月は何と呼ばれると思いますか? 立って、座って……その次は……寝ながら待つ「寝待月(ねまちづき)」です! 月の名前から、昔の人々が月を楽しむ姿が想像できますよね。このように、身の回りに起きるちょっとした変化に気づいて、それを楽しむのは素敵なことだと思いませんか。
月の出には日の出とは違った趣があるので、ぜひ一度「月待ち」を試してみることをオススメします。 皆さんは「中秋の名月」という言葉を聞いたことがあると思います。 「中秋の名月」とは、旧暦(太陰太陽暦)の8月15日の夜に見える月のこと。美しい月として、古くから親しまれてきました。 ■2024年「中秋の名月」は特別、その訳は? ここで暦(カレンダー)について、簡単に説明しておきましょう。 現在は、太陽の動きをもとにつくられた暦(太陽暦)を使っています。この暦は明治6年に採用されました。それまでは、月(太陰)と太陽の動きをもとにした太陰太陽暦、いわゆる旧暦が使われていました。
旧暦では、月が「新月になる日」を月の始まりとして、その月の「1日」としています。月が立つ日なので、「つきたち」から発音が変化して「ついたち」と呼ばれるようになったと言われています。 旧暦における「秋」は7月から9月まで。旧暦の8月15日は、秋の真ん中にあたることから「中秋」と呼ばれています。 じつは、中秋の名月は「満月」とは限りません。実際、今年の中秋の名月は9月17日ですが、満月はその翌日の9月18日です。