【日本人なら楽しみたい】「中秋の名月」今年は“土星”も見える!? 鑑賞のコツ 江戸時代からの風習で「極上のお月見体験」のやり方は?
地球から見ると月は、太陽と同じような大きさに見えますよね。 実際には、地球から月までの距離は約38万キロメートル。地球は太陽から1億5000万キロ離れているので、月のほうがかなり地球に近いです。 月の重力は地球に影響を及ぼしています。わかりやすい例が、「潮の満ち引き」です。海面は、月の重力に影響を受けて高くなったり低くなったりしています。 また、地球内部の岩石に影響を与えることで「地震」と関連しているという話もありますが、因果関係はいまだ研究中です。
■太陽・地球・月の位置関係からわかること 月が地球を回る様子に「太陽」を加えて、太陽、地球、月の位置関係を見てみましょう。 この位置関係から次のことがわかります。 太陽、地球、月の位置関係からわかること ・月は満ち欠けをする ・「月の出」は毎日遅れる(月待ちを楽しめる) 月は満ち欠けをする 月はみずから輝かず、太陽の光を反射して輝きます。太陽の光が月に当たる部分は、地上から見ると日々変化し、日によって、月は満ちたり、欠けたりします。
太陽の光が月の裏側全体に当たっているときは「新月」となります。逆に、月の表側全体に当たるときが「満月」です。 満月のとき、太陽と月は地球を挟んで反対側にあります。図のAを見るとわかるように、太陽が西の地平線に沈んでいくとき、満月が東の地平線から昇ってきます。 「菜の花や 月は東に 日は西に」この与謝蕪村の俳句をご存じでしょうか。 これは、満月の日に詠まれた句であるということがわかります。茜色の空に、黄色い菜の花と満月――宇宙と大地を感じる壮麗な句ですね。宇宙の知識が増えると、俳句の解釈が深まることもあるのです。
「月の出」は毎日遅れる(月待ちを楽しめる) 日によって変わるのは、月の満ち欠けだけではありません。じつは月が昇る時刻も変わります。「日の出」の月バージョンで、地平線から月が昇ることを「月の出」といいます。 ■日々変化する月の出を愛でる「月待ち」 前ページの図で、満月の「月の出」を見た次の日のことを考えてみましょう。 満月から24時間経つと、月は公転によってちょっとだけ反時計回りに動きます。見た目は満月から少しだけ欠けて「十六夜(いざよい)」になっています。このとき、十六夜はまだ地平線の下にいて、十六夜が地平線から昇るには、地球は50分ほど自転する必要があります。