地球外生命を探して -太陽系の“三大名所“をめぐる 1.火星
日本科学未来館で2015年1月11日に行われた、サイエンティスト・トーク「地球外生命を探して -太陽系の"三大名所"をめぐる科学の旅」の全文書き起こしをお届けします。 土星の衛星「エンケラドゥス」に生命が存在できる環境の海があることを明らかにした、関根康人氏(東京大学准教授)によるトークイベントです。本イベントでは、天体や宇宙の構造を自由に眺めることができるソフト「Mitaka」(提供:国立天文台4D2Uプロジェクト)を大画面に上映。関根氏のガイドによるバーチャル宇宙旅行で、3タイプの「生命がいるかもしれない天体」をめぐりました。 第1部は、過去に表面に水があったと考えられる「火星」です。動画はページ内のプレイヤーでご覧いただけます(0分0秒~18分5秒)。 *第2部は、星の内部に海があると考えられる「エンケラドゥス」 *第3部は、水以外の液体が豊富に存在する「タイタン」 ---------------- 谷:はい、それでは皆さん、お待たせいたしました。時間となったので始めてまいりたいと思います。皆さん、あらためましてこんにちは。こんにちは。本日はようこそ、日本科学未来館にお越しくださいました。ただ今より、サイエンティスト・トーク「地球外生命を探して―太陽系の”三大名所”をめぐる科学の旅」をスタートしたいと思います。皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。 では早速ですけれども、講師の先生を紹介させていただきます。講師の先生、関根康人先生です。ではどうぞ。あちらに待っていてくださったんですけども、皆さん、拍手でお迎えください。 関根先生は1978年のお生まれです。東京大学大学院の理学系研究科で准教授を務めていらっしゃいます。専門は地球惑星科学。2004年から2005年にかけてはNASAのエイムズ研究所で活動をされていらっしゃいました。本当にもう、第一線で活躍する今注目の若手の研究者さんなんですけれども、今日は皆さんと一緒に宇宙旅行を楽しみたいと思います。というわけで、関根さんには今日は、ツアーガイドの役をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 関根:よろしくお願いします。 谷:今日は、どうですね、皆さんにどんなふうに見ていただいたら今日のツアー、楽しめるかな。こつをちょっと教えていただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。 関根:そうですね。楽しみ方はたぶん、2つあって、大人の方はですね、もうこんなことまで分かってきたのかと、今日お話しすることは基本的にはここ10年の間に分かってきたことで、1カ月前に分かったことも含まれています。なので、今までの頭の中の常識を1回取っ払って、それで見てもらえたら楽しめるんじゃないかなと思います。 それで子供の皆さんは、もともとそういう大人が持っている固定概念とか常識とかないので、僕たちが将来ああいうところへ行ったらこういうことやってみたい、そういうことを考えながら、想像しながら見てもらえたら楽しめるんじゃないかなと思っています。 谷:ありがとうございます。大人も子供も楽しめるイベントにしていきたいと思います。そして、関根さんにガイドの役をお願いするんですけれども、関根さんがガイドなら私は宇宙旅行を皆さんとしていくときの、宇宙船のパイロットみたいなものとして頑張りたいと思います。あとでこちらに、大画面に宇宙空間を見渡せる映像を出しまして、こっちの操縦桿の代わりにゲームコントローラーで操作していきます。よろしくお願いいたします。申し遅れましたが、日本科学未来館、科学コミュニケーターの谷明洋と申します。最後までどうぞお付き合いください。ありがとうございます。 それでは早速、宇宙に出掛けていきましょうかね。では座っていきますか。立ったままのほうがよろしいですか。 関根:いや、立ったままでいいです。 谷:立ったままで行きますか。では行きましょう。では画面を切り替えます。 はい。出てきましたのが、今これ、ちょうど2015年1月11日、午後3時、東京からの空でございます。さあ、時間を進めていきますよ。太陽が沈んでいくと、暗くなって星が出てきます。そして南の空を見ると、秋の星座が見えていますね。そして星座絵を出してみました。そして東の空へ行くと、どうでしょう。オリオン座、シリウス、プロキオン。冬の大三角なんかも見えていますね。どうでしょう、皆さん、夜空を見るのは好きですか。関根さんはどうでしょうか。星を見ていたこととかっていうのは結構あるんですかね。 関根:そうですね。小さいころは星も見ていましたし、あとはプラネタリウムに行ったことも小さいときはよくありました。