「なんとなく不安」を消し去る3つのステップ 過去の失敗に捉われないためには?
私たちは日々、様々な問題に直面します。仕事や友人、家族との関係...。イライラしたり、不安になるのは自然なことです。しかし、その問題にどう向き合うかによって、心の状態は大きく変わります。余計な感情に振り回されず、より穏やかで充実した日々を送るためのヒントを、書籍『やりたいことができる私になる自信貯金』より紹介します。 【図】不安の度合いを3つに分類 ※本稿は、有川真由美著『やりたいことができる私になる自信貯金』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
変えていけることと、変えられないこと
積極的になにかに挑戦したり、毎日が充実して、明るく元気に生きている人は、傍から見ると「あの人はきっと自分に自信があるんだろうな」「きっと悩みなんてないんだろうな」なんて思われるものです。 しかし、日々の生活のなかで、だれもがなにかしら問題に直面します。どんなに人徳者の僧侶でも、優れたエリートでも、才能のある芸術家やスポーツ選手であっても、です。 問題はだれにでも起きるもの。だけれど、それにあまり足をとられない人と、つまずいてなかなか立ち直れない人がいるのは、どうしてなのでしょう。 それは、"感情"が大きく関係しています。 イライラしたり、クヨクヨしたりしたとき、多くの人はその感情に支配されたまま「どうして、私はミスばかりしてしまうのか。私のなにが悪いのか」「どうして、あの人は忙しくないはずなのに、メールの返信をしてこないのか」などと、発展性のないことをぐるぐる考え続けて、心も体も、時間までも消耗しているのです。 感情にとらわれない人は、イライラ、クヨクヨすることがあっても、「今回ミスした部分を、つぎは気をつけよう」「メールの返信がないなら、こちらから電話してみよう」と、自分がコントロールできることだけに集中して、シンプルに解決します。 結局のところ、仕事でも生活でも、人間関係でも、他人や過去のことにとらわれず、自分のエネルギーを、やるべきこと、やりたいことに集中して進んでいく習慣が、自信になっていくのです。 少し整理してみましょう。私たちが直面する問題は、つぎの2つに分けられます。 〇変えていけること:いまの自分(言葉、行動、考え方、感情) 〇変えられないこと:他人のこと、過去のこと つまり、私たちがコントロールできるのは、「いまの自分」だけ。過去のことは変えられないし、未来のことはどうなるかわからないから考え過ぎてもしょうがない。他人のことも、他人に任せるしかありません。ただし、こちらの接し方を変えることで、いい影響を及ぼして、相手の態度が変わってくる可能性は大いにあります。 こんなふうに頭を整理するために、おすすめしたいのは、いま考えていること、感じていることを書き出すことです。 たとえば、なんだかモヤモヤしているとき、紙とペンを用意して、「仕事が多すぎてどうにかなりそう」「私のSNSに書かれたコメント、引っかかるなあ」などと正直な気持ちを書きなぐり、モヤモヤの正体を"言語化"してみるのです。"メタ認知"の方法のひとつ、"ジャーナリング"です。 多くの場合、原因や対策など考えることなく、ただなんとなくモヤモヤしているもの。その原因がハッキリと言葉になると、「削れる仕事もあるのではないか」「人が言っていることは気にしなくてもいいか」などと、自然に解決しようとするのです。 そのときは、先に挙げた「コントロールできること:自分」「コントロールできないこと:それ以外」という仕分けをすることを忘れずに。 プロ野球のある監督が、"スランプ"について、こんなことを言っていました。 「(精神的なスランプから抜け出せないのは)根本的な原因は、食事や睡眠など基本的なことにあるのに、それ以外のところから原因を探してしまう」 スランプとは、これまでできていたことが、急にできなくなること。自信をなくして、環境や人のせいにしたり、自分の能力や資質のせいにして、どうにかしようとしても、大抵は焦るばかりでうまくいきません。 うまくいかないときこそ、自分を信じ抜くことが大事。体調を整えて、やるべきことをやって「普通にやれば、大丈夫」と信じて臨めば、うまくいくのです。 難しいことではありません。自分がコントロールできることだけに集中する習慣をもつことで、余計なことに振り回されず、平常心で進んでいけるのです。