「なんとなく不安」を消し去る3つのステップ 過去の失敗に捉われないためには?
「いま、ここに集中」しよう
どんな人でも「時間が経つのも忘れて」というような、心からなにかに没頭した経験があると思います。そんな「いま、ここに集中」しているときは、心が"無"になって、余計な雑念がなく、生産性ももっとも高まっていて、自分の能力が最大限に発揮されます。 「今日はよくがんばった」「集中できて、仕事がかなり進んだ」「思いっきり遊んで、楽しかった!」など満足度が高く、自分についての感じ方もよくなり、「自信貯金」の「Feel(感じる)貯金」がチャリンと貯まります。 要するに、集中できているときは、自信がすくすくと育っているとき。集中すれば、成果も出やすいので「Do(する)貯金」も貯まりやすいものですが、成果はあまり関係ありません。「いま、ここに集中できている」という感覚だけで、自信においては立派な"成功体験"なのです。 反対に、未来の不安や、過去の後悔、イライラする相手のことなど雑念が浮かんで「心、ここにあらず」の状態では、当然ながら調子がよくない。「気が散って集中できなかった」「だらだらして仕事が進まなかった」など自分に対する感覚もよくなくて、さらに自信がなくなり、集中できなくなる......という悪循環です。 では、どうすれば「いま、ここに集中」できるのでしょう。 それは「大きな目的」と、できるだけ「小さな目標」をもつことです。大きな目的に向かって進んでいても、一瞬一瞬は小さなことしかできません。おすすめなのは、「この25分で○○をする」と、時間を区切って進めていくこと。 【いま、ここに集中する】コツは、つぎの3つです。 1.「今日、優先すること」を3つ決める 2. 短く時間を区切って集中する 3. 集中できる環境と、リラックスする時間をつくる いちばん集中できない原因は、なにを優先するべきかが、わかっていないからです。たとえば、仕事であれば、優先することがわかっていないと、メールや、急な頼まれごとに振り回されて、夕方になって「今日は自分の仕事がぜんぜん終わっていない」という事態になってしまいます。 そうならないために、「今日、最低限やること」「午前中に終わらせること」など、優先することを3つに絞りましょう。 そして、「これから25分、この課題だけに集中する」など、時間を短く区切って、向き合うことです。25分集中して5分休憩する「ポモドーロ・テクニック」用のアプリや、キッチンタイマーで時間を計るのもおすすめ。 最初は、集中しようとしても「あ、頼まれごとを忘れていた」「帰りに玉ねぎ買わなきゃ」などと雑念が浮かんでくると思います。そのときは、メモなどに書いて、頭から追い出し、また集中します。これは、心を"いま"に向ける瞑想「マインドフルネス」と似ています。「いい・悪い」「好き・嫌い」など善悪の評価をせずに、ただ目の前のことに集中して、いま、ここで起こっているものごとを感じるのです。 仕事や家事、雑用なども「やりたいかどうか」「好きかどうか」で判断せず、淡々とやることが大事。大きな目的のためには、面倒なこともあるものですが、それを避けていては、本当に行きたい場所にたどり着けません。 仕事がつらいときこそ、感情を意識せずに、3S「ひとつのことをする(Single)」「短い時間に区切る(Short)」「小さい目標に分ける(Small)」で合理的に、いまのこの瞬間に集中することが大事。ひとつ終わるごとに「はい、完了!」と、達成感を味わいましょう。 最後に、集中できる環境と、リラックスする時間は必須。集中すると、思った以上にエネルギーを消耗します。仕事に25分集中したら5分休憩する、昼休みに仮眠をとる、週末の一日はなにも予定を入れないなど、心と体を解放する時間をつくってください。「今日も一日がんばった」と、日々の小さな自信をコツコツと積み重ねていきましょう。
有川真由美(作家)