生活費も老後のお金も不安…そんな日本人に52歳僧侶が「不安を抱いている人こそ成功する」と諭す理由
現在の生活、そして将来に不安を抱えている人は多い。不安を感じた時はどうすればいいのか。福厳寺住職でYouTuberの大愚元勝さんは「不安というのは人間が生き抜くために欠かせない感情だ。お釈迦さまは、不安をどうやって乗り越えるかについて明確な教えを残しておられる」という――。 【図表をみる】20~60代の男女500人に聞いた「将来の不安」 ■トップ3は「生活費」「医療費」「年金」 突然ですが、あなたにお尋ねします。 「あなたは将来に不安を感じていますか?」 もし答えがイエスならば、続けてお尋ねします。 「あなたは将来にどんな不安を感じていますか?」 2023年10月、株式会社フォーイットは全国の20~60代の男女500人を対象に将来の不安に関するアンケートを実施した(複数回答可)。 アンケートの内容はまさにこの「将来にどんな不安を感じますか?」という問いだった。 それに対して最も多かった回答は「生活費の不安」で59.2%。次いで、「健康・医療費の不安」が46.8%、「年金や社会保障の不透明さ」が36.4%で続くという結果になった。 ■8割以上の人が何らかの不安を感じている 「将来の不安はない」と回答した人は17.6%に留まっており、80%以上の人が将来に何らかの不安を感じているという。 ちなみに、回答選択肢は、以下のようなものだ。 1.生活費の不安 2.健康・医療費の不安 3.子どもの教育費用の不安 4.仕事やキャリアの不確実性 5.住宅問題への不安 6.自然災害や緊急事態への不安 7.年金や社会保障の不透明さ 8.人間関係の不安 9.家族や親の介護の不安 10.その他(記入してください) 11.将来の不安はない どうだろう。あなたにも思い当たる項目が1つや2つ、あるのではないだろうか。
■和尚の元に寄せられる現代人の「三大不安」 同様の調査は他にもたくさんあるが、私自身も10年以上、人々の不安の声に耳を傾けてきた。私は10年ほど前から、人々の悩み・苦しみに寄り添いたいという思いからYouTube上に「大愚和尚の一問一答」というチャンネルを開設し、配信を続けてきた。今そこに寄せられている回答待ちの相談は、4500件を超える。 それぞれの悩みには、それぞれストーリーがあるが、人々が抱える不安の3大要素は、 1.経済的不安、2.心身の健康不安、3.人間関係の不安 である。この10年ずっと変わらない。 そして人々の心に不安が広がる背景には、物価高、電気料金など生活インフラの値上げに関するニュース、ロシア・ウクライナ戦争などの諸外国での戦争関連のニュース、大雨や災害ニュースなどが大きく影響している感がある。 ■不安を拭いきれず、病になってしまう人も いずれにしても、常に不安や悩みを抱えている状態が続くと、精神的に多大なエネルギーを消耗してしまう。そして精神的なエネルギーの消耗は、身体的な不調も引き起こす。心身は密接に繋がっているからだ。 もともと神経質で不安を持ちやすい性格の人はもちろん、精神の強さや無神経を自負する人であっても、繰り返し、あるいは継続的にストレスがかかり続ければ、心身の病を患い、不安障害やうつ病と診断されることにもなりかねない。 不安が病と診断される基準は何か。 それはそれらの不安を拭いきれなかった結果、日常生活、学校生活、仕事に支障をきたしているかどうかだ。 公益社団法人日本WHO協会によれば、不安障害を患っている人は、日本に1000万人以上、世界には約3億100万人もいると言われている。 そう。将来に不安を感じている人々が多いのは、決して日本だけではないのだ。 例えばポジティブシンキングの国、アメリカでも同じである。特に若年層における問題がより深刻なのは、アメリカだ。