インフルエンザ感染爆発で5年ぶりに警報基準超え 病院前に“初売り”並みの「受診行列」 “奇跡の9連休”で家族内まん延?…対策に歯磨き・入浴も
1月2日、ずらりと並んだ人たちの列は、初売りでも福袋でもなく、実は病院にできた「患者の列」だった。 猛威を振っているインフルエンザの現況に迫った。 【画像】1医療機関あたりのインフルエンザの患者数をグラフで見る 12月16日~22日は42.66人と過去10年で最多
新年の病院前には“受診行列”が 緊急事態は薬局にまで
日本各地で猛威を振るうインフルエンザ。 1医療機関あたりの患者報告数は、前の週に比べ2倍以上となり、警報レベルの都道府県は36となった。 東京都でも5年ぶりに警報基準を超える中、多くの人が仕事始めを迎える6日、都内のクリニックを取材すると、開院前に多くの人が並んでいた。 新年を迎えた病院の前にできた“受診行列”。 症状を感じて受診しに来た人: 朝早く(開院20分前)に来たが、前には5~6人が並んでいた。 年末に親子でインフルエンザに罹患(りかん)した人: (熱があるときに並ぶとしたら?)きついですね。娘が熱出た時も、私が(列に)並びに来て、順番来たら娘と一緒にまた病院に来るという形だった。 正月の診療時間を6~7時間延長して対応したという病院には、次々とインフル患者が駆け込んできていた。 患者に症状を聞いてみると、発熱・せき・のどの痛み・鼻水・たん・腹痛・吐き気・倦怠感・関節痛・頭痛など、1人の患者で非常に多彩な症状が出ていた。 緊急事態は、薬局にまで及んでいた。 有明ファミリー薬局薬剤師・小林和正さん: 「インフルエンザ薬」は500人分ほど年末に入る前に在庫しておいたが、50人分くらいしかなくなっている状況。これからさらに増える予想が立ちますので、非常に心配な状況。
1月後半がピークか…歯磨きとシャワー・入浴で対策を
ではなぜ、医療機関に行列ができる事態となったのか。 “コロナ中”はインフルエンザは少し減り、コロナ前の2018年・19年のころを見ると、このころは1月下旬ごろがピークだった。 通常、インフルエンザは1月下旬から2月頭にかけてがピークとされている。 今回、2024年はどうだったのかグラフで見ると、12月に入ってから年末にかけてグーンと伸びているのが分かる。 これは12月16日から22日、全国平均で1医療機関あたりの患者数が42.66人もいたということで、この数字は過去10年で最多だという。 “パンク状態”になってしまっている要因について、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は「クリスマスごろから爆発的な感染者数になって、それが年末年始の9連休に家族内で広がり、1人の感染者が家族の中で2~3人の感染につながるケースが非常に多い」と話す。 帰省のタイミングと重なるなどして、今回は年末年始から、すでにピークのように増加していて、それが病院のやっていない時期と重なってしまったという。 いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長: われわれもほかの医療機関も、一定期間休んで、また開始する。(病院を)開けた瞬間に30人以上の患者がどっと押し寄せる、過去最多の逼迫(ひっぱく)の状況でした。“受診難民”の患者さんが非常に多くいたと思う。 インフルエンザのピークは、通常はこれからということだが、「ここから増えてしまうのか」伊藤院長に聞くと、2025年、今回のインフルエンザは1月後半にピークが来るのではということだった。 時期としては例年通りだが、ここからさらにピークがやってくるという。 その理由として、インフルエンザが治りきっていない人も、連休明けで学校とか仕事が休みづらい空気、状況がある。 つまり治りきっていないのに来てしまうことで、家庭内だけではなく、学校とか仕事場で一気に広がってしまうおそれがあるという。 そうならないためにも、手洗い・うがいに加えて、歯磨きにシャワーや入浴が大事だという。 歯周病菌は感染を防ぐ機能を低下させてしまうため、歯磨きをすることが重要で、ウイルスは毛穴にもいるので、体内に取り込まないように努力するためにシャワーや入浴がとても大事だという。 (「イット!」1月6日放送より)
イット!
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