皆既月食は地球の“夕焼け”? 1月31日は夏より観測に好条件
皆既月食が、赤く見えるのはなぜでしょう? 1月31日の夜10時から11時ごろにかけ、好条件の皆既月食を全国で見ることができます。月面から見える光景を想像すると、「地球の夕焼けに照らされているから」だと理解しやすくなるかもしれません。 【図解】「第二の地球」にもう驚かない? 変わる系外惑星発見の意味
あまり夜更かしせず、長い時間観測できる
今回の皆既月食は、どんなところが好条件かというと、 (1)満月が空高く昇る、冬の夜遅めの時間帯 (2)だけれども夜半前なので、あまり夜更かししなくて良い (3)皆既月食の継続時間が1時間以上と長い こと。 加えて、地球との距離がかなり近い満月(今年最大ではありませんが、いわゆる『スーパームーン』に該当すると考えることもできる)なので、心持ち大きく見えるのも嬉しいところです。
午後10時~11時ごろを目安に、赤い月を探してみましょう。方角は南東ですが、月はかなり高い位置(高度60~70度前後)にあるので、頭の真上の周りを探すくらいの感覚で良いと思います。ただ、通常の満月よりずいぶん暗いので、よく目を凝らしてください。 皆既月食は2015年4月以来、3年ぶり(前回は、天気の悪い地域も多かった)。ことしは7月28日にも再びチャンスがありますが、「夜が明け始めた西の空の低いところで何とか見えるかな」というやや厳しい条件です。寒さ対策を万全にして、このチャンスをお見逃しなく。
もっと本格的に楽しみたければ、天体望遠鏡で眺めても良いし、満月が欠け始める午後9時前から、再び丸くなる深夜0時過ぎまでの変化を見るのも良いでしょう。人工の明かりが少ない海や山に出かければ、月が欠けて暗くなるにつれてたくさんの星が見え、皆既月食と天の川の“共演”も楽しめるかもしれません。
皆既月食はなぜ赤く見えるの?
さて、ここからが今回の記事の本題。 皆既月食は、なぜ、暗いながらも赤く見えるのか。ちょっと視点を変えて、月面から見た光景を想像しながら、イメージしてみたいと思います。 皆既月食が起こる理由から、順番に整理していきます。皆既月食は、太陽、地球、月がまっすぐに並び、月全体が地球の影に入ることで起こります。普段は満月を照らしている太陽の光が、地球に遮られてしまうのですね。