最も厳しかったのは「SC中にコース上に留まろうとした時」とピアストリ。大半が使用を避けたウエットタイヤの問題も指摘
マクラーレンのオスカー・ピアストリは、極端な気象条件のために、先週末のF1第21戦サンパウロGPはF1で経験したレースのなかで「最も過酷なもののひとつ」になったと語った。 【写真】2024年F1第21戦サンパウロGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)とリアム・ローソン(RB)の接触 ピアストリは、ポールポジションから決勝レースをスタートしたチームメイトのランド・ノリスよりふたつ後ろの8位で、この難しい1日を終えた。インテルラゴスでのレースは、雨が強くなるにつれて視界が悪くなり、路面が滑りやすくなったことで難しくなった。ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は最初の犠牲になったうちの1台で、ターン1の縁石で立ち往生したためにバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入され、最終的には完全なセーフティカー導入へと移行した。 セーフティカー導入中に、ピアストリは悪化する状況について主張し、チームの無線を通じて「赤旗が必要だ。今のここの状況はひどい」、「至る所に水が溜まっている。ウエットタイヤでこれをどうにかすることはできないだろう。ウエットタイヤを履くか、レースを中断するかのどちらかが必要だ」と赤旗を要求した。 フランコ・コラピント(ウイリアムズ)がメインストレートでDRSラインを越えた際にコントロールを失ってクラッシュしたため、レースコントロールは最終的に赤旗を掲示した。ピアストリは中断を要求していたものの、ノリスとともに直前にピットインを行っていた。そのため、セーフティカー導入中にピットインしないでいたエステバン・オコン(アルピーヌ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は即座にポジションのアドバンテージを得て、マクラーレンの両ドライバーは大きな損失を被った。 23歳のピアストリはこの出来事を振り返り、この日がF1で経験したなかで「最も厳しい日のひとつ」だったと認めた。 「最初から最後まで厳しい1日だった」とピアストリは『Motorsport Week』に語った。 「レース前半は僕たちはとても速かったように見えたが、ランドはジョージ(・ラッセル/メルセデス)の後ろに留まり、僕はリアム(・ローソン/RB)の後ろに留まっていた」 「リアムに接触して後退させたのは、本当に意図したことではなかった。赤旗後のレース後半は、僕たちが遅かっただけだと思う」 「僕たちはふたりともペースに苦労していたと思うし、かなり厳しい30周だった」 ローソンをオーバーテイクするための戦いのなかで、ピアストリはターン1でローソンと衝突し、ローソンはスピンを喫した。このインシデントにより、ピアストリは10秒のタイムペナルティを科されたが、彼は状況を考えれば妥当なペナルティだとしてそれを受け入れた。 「僕は長い間彼の後ろに足止めされていて、十分に横に寄せられなかった」 「僕はそのことについて彼と話した。彼も僕を見ていなかったと言っていた。あの状況ではもっともなことだが、明らかに僕のミスだったので、ペナルティは当然だった」 ピアストリは、後になって考えた際に赤旗のタイミングに疑問を抱いた。彼はコース上でのそのようなリスクを防ぐために、コラピントの事故の前に赤旗が出されるべきだったと感じた。また、F1のフルウエットタイヤコンパウンドのより大きな問題についてもピアストリは注意を喚起した。ウエットタイヤは、パフォーマンスが低いためにドライバーがいつも使用を避けているもので、モンスーンのようだったレースでも同じことが起こり、ピアストリの課題はさらに増すばかりだった。 「こんなに雨が降るとは予想していなかったと思う」とピアストリは説明した。 「正直に言って、レースで最も厳しかったのはセーフティカー中にコース上に留まろうとしていたときだった」 「ウエットタイヤが抱えている問題が少し露呈したと思う。誰もが赤旗が出ることを願いながらも、ウエットタイヤへの切り替えを拒否していたんだ。なぜなら性能がとても低いからだ」 「セーフティカーの後ろでマシンがコース上に留まるのに苦労しているという、かなり危険な状況だったが、これは特に新しいことではない。少なくとも今後はそれを変えようとすることができるよう期待している」 [オートスポーツweb 2024年11月09日]