日銀・黒田総裁会見7月15日(全文2)すでに回復の兆しが見えている
日銀の政策はどの程度効果があったのか
共同通信:共同通信の【イノウエ 00:29:16】といいます。総裁、冒頭の質問で、一連の政策効果について評価、言及されていましたけれども、一方で総裁、このコロナ対応に当たって、春先ですか、日銀の対応として事業・雇用を守ることが大事だと、最優先に取り組むべきだと発言されたと思います。この一連の日銀の政策が倒産や失業者の増大に歯止めをかけるのに、どの程度の効果があったというふうに評価されていますか。 黒田:これはデータが示しているとおり効果があったと思いますが、これは別に日本銀行の政策だけでなくて、政府の2回にわたる大規模な補正予算、それによる企業、雇用、それから家計の生活、それに対する大規模な支援策というものも大きな効果を持ったと思いますが、日本銀行の3月、4月、5月といろいろやってきた政策は、政府の強力な政策と相まって、企業の倒産、今のところ非常に少ない状況ですし、それから失業率も、若干上がってますけれども、諸外国に比べても、また、リーマンショック後の状況に比べてもはるかに良いという状況でありますので、その状況に日本銀行の政策も一定の貢献をしたというふうに考えています。
地方経済への認識を聞きたい
テレビ東京:テレビ東京の大江と申します。よろしくお願いいたします。国内の感染者がまた増加傾向にありまして、政府の「Go To キャンペーン」についても今議論が起こっていまして、賛否どちらの声も上がっているような状況になっています。そうした中で気になるのは地方経済の状況ですね。現状、黒田総裁は地方経済についてどのような認識をお持ちでしょうか。 黒田:この点は先日も支店長会議で各地の支店長からご説明いただきまして、確かにそれぞれの地方の特色、特徴もあって、みんな同じということではないんですけども、ある程度、共通して見られる傾向もありまして、1つは設備投資が今のところ非常に堅調というか、しっかりしてて、前よりももちろん見通しは若干下がってますけども、それでもプラスの域内にあって、設備投資が比較的しっかりしているということ。それから消費は特に観光その他対面サービスは非常に大きく落ち込んで、それによってかなり影響を受けている地方もあるわけですけども、他方で物の消費のほうはかなり戻ってきていると。ただ物の消費っていうか小売なんかを見ても、デパートやコンビニはやや低調ですけども、スーパーとかドラッグストアとかは好調だとか、若干違いはありますけども、先ほど申し上げたような日本全体の動きと平仄の合っている感じでいたというふうに思っております。 ただ先ほど申し上げたように対面サービス、特に観光のウエートの大きな地域はかなり影響を受けているというふうに思いました。この観光に対する対応として政府はいろいろ考えておられるっていうのはこれは適切だと思いますけども、いずれにいたしましてもやはり感染を収束させ、特にワクチンとか治療薬ができるだけ早くアベイラブルになるっていうことが国民の不安を取り除いて、対面サービスについても需要が戻っていくということにつながるのではないかというふうに思っております。