和田秀樹 死亡率を低くしたいなら脂肪をとったほうがいい?「長寿県として知られた沖縄が転落した原因も…」<健康志向の偏食>が招く末路
◆間違った栄養指導で沖縄が長寿県から転落 かつて沖縄は長寿県として知られていました。 1975年の統計以来、女性は平均寿命全国1位を維持、男性も85年には1位となっていましたが、2000年、男性が4位から26位に転落。その後も順位を落とし、2020年には男性は43位、女性は16位にまで落ちてしまいました。 このような転落劇は、なぜ起きたのでしょうか。 実は、ある研究者の誤った栄養指導が原因していると考えられます。 その研究者は沖縄の長寿の秘密は「野菜と大豆と米の豊かな摂取」にあると断定。同時に、駐留米軍の影響でファストフードが普及したことで肥満が多くなったとして、やせるように指導していったのです。
◆沖縄の長寿の大きな原因 それに対して、老年医学専門家の柴田博先生は正反対の考えをもっています。 沖縄の長寿の最も大きな原因は、日本全体がまだ肉不足にあえいでいたころから肉をよく食べ、脂肪摂取量も全国平均を一日5gくらい上回っていたことをあげています。 しかし、肥満を防ごうという指導によって沖縄県民の脂肪摂取量は減り続け、それと比例するように平均寿命の順位も下がっていきました。 ※本稿は、『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』(講談社)の一部を再編集したものです。
和田秀樹