平野レミ「最愛の人の不在は、息子にも嫁にも穴埋めできない」。悲しくても「好きなこと」をして、“私のまんま”で生きてきた人生哲学《インタビュー》
平野レミさんの人生哲学がつまった言葉集『私のまんまで生きてきた。ありのままの自分で気持ちよく生きるための100の言葉』(ポプラ社)が発売されました。“私のまんま”で生きるレミさんは、家族や仕事とどのように向き合い、人生をどのように楽しんでいるのでしょうか。
インタビューで語られる飾らない言葉のなかには、家族への深い愛情や元気なパワーがあふれています。その言葉を浴びるだけでも前向きな気持ちになれるはず。レミさんの素顔が綴られているという最愛の夫・和田誠さんの本もあわせて紹介します。 (取材・文=吉田あき 撮影=後藤利江)
まじめな中にも面白いスパイスを
――ご自分の言葉がつまった本書を読んで、いかがでしたか? 平野レミさん(以下、レミ):よその人の書いたものなら感動するかもしれないけど、私がいつも心で思ってることだから、全部そうだよね、その通りだよねって。人生こんなもんじゃないのって感じです。 ――何十年前の言葉もありますから、レミさんの軸はきっと変わっていないんですね。 レミ:人間、そんなに変わるものじゃないですよ。私がこれまでに出した本やインタビューでしゃべった言葉を編集者さんがまとめてくれたんです。自然と口から出た言葉ばかりだけど、文章になるとなかなかいいこと言ってるじゃんって思います。 ――レミさんは昔から簡単に作れるのにおいしい料理を作っていらっしゃいますよね。当時は先駆けだったと思います。 レミ:昔の料理本って、レシピが1から20くらいまであって長いの。読んでられないから文章の短い料理から作ってました。だから私のレシピはもっと短くしようと思ったんです。私は無精で気短だから、パパッとできないとイヤなの。 ――テレビで料理する際、「牛トマ」のトマトを手で潰したら苦情がいっぱい届いて、その一方でユニークだと絶賛するメディアもあったそうですね。きっと新鮮に感じる視聴者も少なくなかったと思います。 レミ:でしょ? そうですよ、きっと。私が長年仕事ができているのは、私の料理に賛同してくれる人たちがいるからだと思います。テレビでは「はい、完成で~す!」なんて豪快にやっちゃうけど、食べたら意外とおいしいって、みんな言ってくれるのよね。