平野レミ「最愛の人の不在は、息子にも嫁にも穴埋めできない」。悲しくても「好きなこと」をして、“私のまんま”で生きてきた人生哲学《インタビュー》
ダイヤモンドより下北沢で買った古着が好き
――本書には、“自分のまんま”で生きてきたレミさんが、今の人たちにエールを送るような言葉もありますね。今は、そういう生き方がしづらい時代かもしれないけど、がんばってと。 レミ:本音だけではやっていけないとか、嘘とか我慢も必要だとか、そういう話を聞くんだけど、人に迷惑をかけてるわけでもないのに、なんで生きづらいと思っちゃうのかなと思います。私にはわからないなあ…。自分に与えられた仕事が嫌いだったら即、やめちゃいますよ。 ――やめてしまうんですね! それは、お仕事でもプライベートでもそうですか。 レミ:そうです。イヤだと思う人とも付き合いません。だって短い人生だもん。好きな人と会って、楽しいことやって、笑って過ごさなかったらもったいないですよ。自分の言ったことを相手がどういうふうに受け止めるかとか、人の目や言動を気にしなくても、自分の気持ちを素直に言えばいいのにって思います。ただ自分で勝手に悩んで考えすぎていただけだった、なんてこともあるかもしれませんよね。 ――たしかに人間関係で悩む人は多くて。自分の実力や生活の基準を人と比べる人も多いですが、レミさんにはそれがなさそうですね。 レミ:私は平気。豪華なダイヤモンドもいらないしさ。それを買うくらいなら、下北沢に行って古着を買うのが大好き。今日着てる服もそうですよ。
――衣装だと思っていました。ご自分で探しに行かれるんですか? レミ:そうそう。テレビ局にはメイクさんもスタイリストさんもいるけど、私は何十年もこの顔を知ってるし、何が似合うかも大体わかるから、人の世話にならないで全部自分でやっちゃうの。 ――自分のことをよくわかっていらっしゃるし、それを実践されているんですね。 レミ:そうね。私は自分のことがわかっているのかもしれませんね。ただ、私はそのつもりはないけど、人をイヤな気持ちにさせることがあるかもしれない。高校生のときなんて声が大きくて、電車で知らないおじさんから「うるさい」って怒られることもあるから。電車の音のほうがよっぽどうるさいのにね。ガタンガタンって。 そういう迷惑はあるかもしれないけど、そんなの小さなことでしょ。まわりを気にしすぎないで自分らしく生きなくちゃね。楽しく笑っていきましょうよ、ね。 ――本書には「死ぬのだって楽しみ」というエピソードもあって、それだけ充実した人生を送られてきたんだろうと感じました。でも、まだまだレミさんの活躍を楽しみにされている方が多いと思います。 レミ:簡単な料理はこれからもどんどん作っていきますよ。今でも楽しい料理が頭にたくさん浮かんでるんだから。