主砲・大山の「FA宣言」で新生・藤川阪神に暗雲…日本一奪還に向け、来季の戦い方を下柳剛が徹底解説
球団史上初の連覇を惜しくも逃す結果となった阪神タイガースの新たな挑戦はすでに始まっている。藤川球児氏を新監督に迎えた来季の阪神の戦い方を、ともに阪神でプレーした野球評論家・下柳剛氏が分析。自身の経験と照らし合わせた臨場感ある解説は阪神ファンならずとも必読だ。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 前編記事『藤川球児新監督「力のないベテランは必要ない」その知られざる真意とは…盟友・下柳剛が明かした「男の覚悟」』に続き、来季の阪神の戦い方を提言する。
秋季キャンプから見えた藤川采配
では藤川新監督は具体的にどんな野球をするのか。それは秋季キャンプから少しずつうかがい知ることができた。 秋季キャンプの紅白戦では、2番に佐藤や前川を入れた。2番に左で強打を放てるバッターを置けばチャンスが広がる。1番打者が出塁した場合、守る側としてはファーストがピッチャーからの牽制のためにファーストベースにつく。セカンドもダブルプレーの対応などを想定してセカンドベースに寄る。すると一二塁間のヒットゾーンが大きく広がる。そこに左バッターが強い打球で引っ張って一二塁間を割れば、一気に一三塁の場面が作れる。 藤川監督自身、メジャーでの経験もあるし、「2番最強打者説」を採り入れてくるかもしれない。個人的にはこれに足を使った攻撃の工夫を加えたい。やはりピッチャーとしては、足を絡められるのはすごくイヤなもの。今シーズン少なかった盗塁や走塁の好判断、そういった細かな部分の確認は反省材料として活かしてほしい。
打てる外国人野手の補強を!
それとは別に、阪神の打撃に関して言うとポイントは2つ。それは外国人バッターの獲得とFA権を取得した大山の動向だ。 外国人バッターは目下スカウティング中。以前阪神に在籍していたサンズ(2020-2021)がスカウトを担当していて、これから始まるウインターリーグやドミニカ、ハワイのリーグを見て回って探すことになるだろう。そこで強打者を獲得できるかが来季への大きなポイントとなる。そして仮に獲得できたとして、どのポジションに置くかは大山の動向と関わってくる。 大山は13日、国内FA権を行使する意向を表明した。大山が阪神から他のチームへ移った場合は、新外国人選手をファーストに入れることができる。生え抜きの主砲を失うダメージは大きいが、そうなれば前川はレフトでレギュラーを狙うこともできる。 もし大山が宣言残留となれば、新外国人選手はレフトに置くだろう。ただ、そうなると今伸び盛りの前川のポジションがなくなってしまうのが悩みどころだ。 どんな外国人選手を獲得できるか、どんな決断を大山がするか。それによって来シーズンのチーム編成は大きく変わる。