「自己肯定感の低い私の心が全回復できる場所」蛙亭・イワクラが献血に通う理由 #今つらいあなたへ
8月21日は「献血の日」。テレビや劇場で幅広く活躍するお笑いコンビ・蛙亭のイワクラさんは、「献血をやってみて“自分も生きていていいんだ”と自己肯定感が上がった」と語ります。人のために行う献血で、なぜ自己肯定感が上がるのか。イワクラさんの考える献血の魅力について話を聞きました。(Yahoo!ニュース Voice)
自己肯定感が低くて、みんながやっている“普通”ができない
――イワクラさんはご自身のことを「自己肯定感が低い」と公言されていますが、子どもの頃はどんな性格でしたか? イワクラ: 子どもの頃は、仲が良い人の前では調子に乗ってふざけられるけど、みんなの前だと萎縮してしまって話せないタイプでした。小中学生の時は、ハンドボール部に所属してポジションはキーパーだったんですけど、その時も「○○ちゃん投げるよ」みたいなことが恥ずかしくて言えなくて。「ちゃんと指示を出しなさい!」って先生からもよく言われていましたね。それでも、芸人になりたいという夢を叶えるため、NSC(吉本総合芸能学院)に入学したんです。けど、最初のネタ見せの授業で先生から「声が小さくて何も聞こえません」と言われてしまって。 他の生徒は、声も大きくてパリピで、私が学生時代に苦手だった人たちばかり。相方もなかなか見つからず「あ、これは私には向いてない世界だ……」と絶望して、もう辞めようと思っていたのですが、そんな時に今の相方・中野周平 と出会いました。大喜利に出た時の私を見ていたらしく、終わった後に「面白かったよ」と声をかけてくれたんです。明るくて元気な人じゃないと芸人は無理だと落ち込んでいたので、本当にそこで中野が声をかけてくれなかったら辞めていたな、と今でも思います。 ――自己肯定感が低いことで、日常生活で生きづらさを感じるのはどんな時ですか? イワクラ: そもそも人とコミュニケーションを取る時に、“普通”を追い求めすぎてしまって変なふうになってしまうんです。「これ普通じゃないよな。変な奴だと思われないようにしなきゃ」と思えば思うほど焦ってしまいます。例えば、飲食店で注文をする時、「サバ定食にする」と決めているのに、いざ店員さんが来たらテンパってしまい、一人でめっちゃ早口で「えっと、どうしよう…。サバ…あ、ハンバーグ定食で」と、全く違う注文をしてしまったり。「早く店員さんに言わないと」と考えると焦ってしまい、自分でも訳が分からない動きをしてしまう。 私的にはスタバも難しくて……。スタバにマイタンブラーを持って行った時に店員さんから「すごく可愛いタンブラーですね」と褒めてもらったんです。そんな時は普通に「ありがとうございます!」と笑顔で答えればいいのに、間があいて「…ありがとうございます」と言ってしまって。本当は褒められてめっちゃ嬉しいんですけど「今、ワンテンポ遅れてしまったな」「声が小さかったから、ありがとうって言ったのが聞こえてないよな」とか、そんなことを2カ月経っても、ずっと気にしてしまって自己嫌悪に陥ってしまうんです。コミュニケーションが“普通”に取れないっていうのは、生活していて結構しんどいですね。
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