結婚してもセックスはしない「友情結婚」相談所を始めて10年目。500人以上を成婚に導く【カラーズ・中村光沙】
「友情結婚」 その言葉の響きから、どんな結婚をイメージするだろうか。友達同士でする結婚？それとも友達のような夫婦が結婚をすること？ 【全画像をみる】結婚してもセックスはしない「友情結婚」相談所を始めて10年目。500人以上を成婚に導く【カラーズ・中村光沙】 友情結婚は、LGBTQ＋などセクシャルマイノリティであることにより、異性と性的行為ができない・したくない人が、異性との婚姻関係を持つことをさす言葉だ。 中村光沙（なかむらありさ）は、2015年に友情結婚専門の結婚相談所「COLORUS（カラーズ）」を立ち上げた。
「性愛を伴わない」以外は恋愛結婚と同じ
カラーズは、「誰もが希望するライフスタイルを獲得できる世の中」を目指し、LGBTQ+を含むすべてのセクシュアリティの人に「性愛を伴わない新しい結婚」を選択肢の一つとして提示している。 「友情結婚」という言葉には、耳なじみがない人も多いだろう。しかし、中村曰く友情結婚は「性愛を伴わない」という点以外は、恋愛結婚と変わりのない結婚を指すという。 カラーズ入会者の男性は8割がゲイ、女性は9割が他者に性的欲求を持たないアセクシャルか、他者に恋愛感情は持つが性的欲求を持たないノンセクシャルだ。 さまざまな理由から、家族や社会にカミングアウトをせずに生きていくことを願うセクシャルマイノリティも少なくない。世の中のマジョリティのような異性同士の結婚を望むセクシャルマイノリティの一つの選択肢になるのが、友情結婚というわけだ。 カラーズの入会者の多くは、恋愛結婚と同じく「支えあえるパートナーがほしい」「子どもがほしい」「親を安心させたい」という理由で、友情結婚の相手を探しにやってくる。 中村たちは、入会者一人ずつと面談を行った上で、結婚に求める条件などを丁寧に聞き出し、マッチングさせていく。 一般の結婚相談所と異なるのは、「恋愛、性活動」「妊活の方法」について意向を確認することだ。入会者同士が成婚した場合、家庭のほかにパートナーを持ちたいのか、性行為を家庭以外の場所で行いたいという意向があるかなどを予め相手にオープンにする。 また子どもを望んで友情結婚を希望する場合は、人工授精やシリンジ法など、性行為を伴わないどんな方法で子どもを授かりたいかも事前に共有しあう。一般の結婚相談所も、成婚前の条件のすり合わせが発生するが、これは友情結婚ならではの項目と言えるだろう。
