“心の健康”に効果的な「日記の書き方」
ジャーナリングのメンタルヘルス上のメリット
一般的なメリットはさておき、ここからは、ジャーナリングがメンタルヘルスにどういった影響をもたらすのかを具体的にみていこう。
感情から自分のことを学び、感情の処理がしやすくなる
「一日の出来事を振り返ることは、いいことも悪いことも含めて、脳が感情を処理したり整えたりするのに役立ちます」と話すのは、フロリダ州オーランドに拠点を置く認定セラピストのマーク・キャンベル。例えば、最近恋人に振られて拒絶感を感じていたり、仕事で燃え尽きているとするなら、自分の気持ちをありのままに書き出し、それを自分で読み返すことで、つらい感情の処理がしやすくなるという。他にも、ジャーナリングは自分が無意識に繰り返している言動パターンを認識することができたり、今をもっと受け入れられるようになったり、自分自身に対する共感力を深められるようにもなるとのこと。
トラウマからの回復に役立つ
ロペスいわく、ジャーナリングはトラウマとなった出来事を処理したり、癒える力に大きなインパクトをもたらしてくれるもの。「研究では、書くことがうつ病や不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を和らげることを示しています」とロペス。「そのことについて考えるだけでなく実際に書き出してみることで、過去の出来事に対する認識や捉え方を変える責任を自分自身が持てるようになるでしょう」。ただ感じることを書くだけで、トラウマが与えるメンタルヘルスへの影響を消せるものではないが、ジャーナリングはセラピーや治療と併せて実践する価値が高い習慣なんだそう。
不安やうつ病の対処法として有効
アメリカ心理学会(APA)によると、不安やうつ病はアメリカでもっともよく取り上げられるメンタルヘルスの問題の一つ。もちろん、書くことがこうした症状を一晩で治せるわけではないが、最近の研究によると、ジャーナリングはうつや不安の症状を和らげ、時間と共に立ち直る能力が向上する。生きる意味を見出すのに苦労していたり、なにに対しても興味が湧かなくなっている場合にも(どちらもメンタルヘルスの問題に直面したときに経験することが多い)、ジャーナリングが有益であることを複数の研究が示している。