個人投資家が語る「インデックスファンド」超入門。インデックスファンドの強み、投資への考え方
1970年代の初めには「ニフティ・フィフティ」という概念があった。ニフティ・フィフティとは当時の少数優良企業のことで、こうした会社の株を買ってずっと持っていれば大丈夫、という考え方だった。問題は、どんなに優れた企業も永遠には続かないことだ。もっと簡単でいい方法があるはずだ。 3 インデックスファンドでは、そのインデックスを構成するすべての企業を少しずつ保有することになる。S&P500インデックスファンドに投資すれば、アメリカの上場大企業500社の一部を所有することになる。トータル米国株式市場インデックスファンドを保有している場合(私はこちらが好みだ)、あなたはアメリカの事実上すべての上場企業の一部を所有していることになる。最近ではその数は約4000社だ。
4 インデックスファンドは「時価総額加重型」である。つまりシンプルに言うと、大企業であればあるほど、ポートフォリオ全体に占めるその企業の割合は大きくなる、ということだ。私たちが所有する株の中で、成長し繁栄している企業の割合が増えるのだ。 失速した企業は、業績が回復しない限りその割合が小さくなるか、完全に消えてしまい、代わりに新たな新興企業が入ってくる。会社に起こり得る最悪の事態は、完全に失敗して100%の損失を出すことであり、逆に最高の事態は、100%、200%、1000%、10000%、あるいはそれ以上の利益を出すことである。私たちにとっては好都合だ。
5 こうした一連のプロセスを私は「自浄作用」と呼んでいる。インデックスファンドを買って保有し続けるのがいいのは、この作用があるからだ。 6 アメリカが強力で生命力のある資本主義経済を持ち続ける限り、このプロセスに終わりはないだろう。もちろん永遠に続くものは何もないし、アメリカだっていつかはローマと同じ道をたどるだろうが、個人的にはすぐにそうなるとは思えない。しかし、もしその時が近いと信じているなら──現にそう思っている人もいる──「シンプルな道」はあなたには向いていない。缶詰や弾薬を備蓄したほうがいいだろう。