個人投資家が語る「インデックスファンド」超入門。インデックスファンドの強み、投資への考え方
■自分の国の外にも目を向けよう 7 投資家に対して、自国市場の株だけ持っていればいいと私が勧められる国は、アメリカだけだ。海外の読者は自分の国の外に目を向けるべきである。私はトータル・ワールド・インデックスファンドをお薦めする。 8 市場全体を上回る成果は出せないという見方は、ちょっとピンと来ないかもしれない。確かに私もそう思った。そのせいで長らく個別銘柄選びを続けていた。本当に優れた会社をただ何社か選べば結果が出せる、あるいは明らかに業績の悪い会社をただ避ければいい、というのは疑いの余地もないように思える。
しかし、ここでは「ただ」という言葉が重大な意味を持っている。数十年にわたる調査によれば、どの年を見ても、アクティブファンドの運用会社の中で市場平均を上回る成績を上げるのは、多くて25%程度に過ぎない。続ければ続けるほどその割合は低くなる。30年後には1%以下、つまり統計的にはゼロになる。 9 個別株を買う場合、いつ売るかを考えなければならない。しかし、インデックスファンドは常に中身が刷新され、更新される。私個人はバンガードの株式市場インデックスファンドであるVTSAXを保有している。ポートフォリオで生活しながら数株を売却する以外は、ずっと持ち続けるつもりだ。この売却は年間で最大2%程度で、4%の引き出し率の残りを配当で賄うことになる。それだけだ。いたって簡単である。
10 アクティブファンドは、インデックスファンドよりめったに成績が上回らないのに、その運用努力には多くの費用がかかる。ファンドのマネージャーは非常に高給取りで、形勢を逆転させようとアナリスト軍団を抱えている。しかし、ジャック・ボーグルがかつて言ったように、「ファンドの成績は上下するが、費用は永遠につきまとう」のだ。インデックスファンドはアクティブファンドを上回る傾向があるだけでなく、手数料に足を引っ張られることもない。そのお金はあなたの懐に残る。