個人投資家が語る「インデックスファンド」超入門。インデックスファンドの強み、投資への考え方
ボーグル氏は、個別銘柄選びや、それを生業にする人が運用するミューチュアルファンドの成果が、市場全体の平均リターンを上回ることはほとんどないと指摘した。これはその後も数十年にわたる調査で繰り返し証明されている。このことから、単純にインデックス全体を購入するファンドが投資家にとっては最適だとボーグル氏は考えた。 ■数え切れないほどのインデックスファンド 料金の高い運用会社や高額な手数料が不要になるというメリットは、「ケーキにかけるアイシング(砂糖衣)」、つまり、付加的なものだった。このアイシングというおまけは、投資会社ではなく個人の投資家を潤したのだが、しかしまあ、ここでは、ボーグル氏のこのアイデアについての話はもう十分だろう。
はっきり言って、今では数え切れないくらいたくさんの種類のインデックスファンドが存在しており、その1つひとつが想像し得るあらゆる指標を追跡しているのだ。しかし、ここで話題にしているのは、低コストの幅広いインデックスファンドのことである。S&P500インデックスファンド、トータル米国株式(債券)市場インデックスファンド、トータル・ワールド株式(債券)インデックスファンドなどのことだ。 インデックスファンドの何がそんなに強力なのか、もう少し詳しく見てみよう。
1 単一銘柄を買うということは、ある特定の会社の所有権の一部を買うということだ。理由はどうあれ、あなたはこの会社の業績がよくなると考えている。その予想が正しければ株価は上がるはずだ。 しかし、正しくない可能性もある。実は、市場で優良株を選ぶのは非常に難しいのだ。今日の大企業が明日のエンロンになるかもしれないし、そこまで劇的でないとしても、シアーズになるかもしれない。そして今日低迷している企業が、明日のエキサイティングな業績回復ストーリーを物語るかもしれない。
■企業にはライフサイクルがある 2 企業にはライフサイクルがある。1960年代のゼネラルモーターズは圧倒的な強さを誇り、ほかの自動車会社は太刀打ちできないと考えられていた。政府が真剣に同社の解体を検討したくらいだ。もちろん実施はされず、ほかの自動車会社が、それはたまたま日本企業だったのだが、この大会社を打ち負かした。シアーズ、ポラロイド、ゼロックス……。私の青春時代の巨大企業は、今ではほとんど思い出されることもない。