“幸運もたらす蝶”を救出したおかげ?全豪OPで大坂なおみが2年ぶりベスト16進出!
テニスの全豪オープン第5日が12日にメルボルン・パークで行われ、女子シングルス3回戦で第3シードの大坂なおみ(23、日清食品)が同27シードのオンス・ジャブール(26、チュニジア)に6-3、6-2でストレート勝ち。2大会ぶり3度目のベスト16入りを果たした。 スコアほどの完勝ではなかった。スピードのあるストロークにスライスやドロップなど、予想もつかないタイミングでトリッキーなショットを織り交ぜてくる、親友でもあるジャブールとのツアー初対決で第1セットの第7ゲームをブレークされ、ブレークポイントも6度握られた。 「いつドロップショットが来るかと思うとすごく怖かった。神経質になって焦りのようなものも感じたなかで、アンフォーストエラー(凡ミス)も多かった。自分が上手くプレーできていないように思えて本当にフラストレーションが溜まった試合だったけど、ファイトし続けていけば必ずチャンスが訪れると信じていました」 前回大会でベスト8に進出しているジャブールには2015年のエキシビションマッチで、自由奔放なショットに翻弄された末に敗れている。6年前に刻まれたトラウマを乗り越え、勝利をつかんだトータル78分間の苦闘には、実は1分あまりの予期せぬ中断が生じていた。 ゲームカウント3-2で大坂がリードを奪って迎えた、第2セットの第6ゲームだった。このゲームだけで2度のダブルフォールトを犯し、30-40でブレークポイントを握られた大坂がジャブールに背を向けながら、必死に気持ちを切り替えようとしていたときだった。 「ナオミ、君の足に蝶がとまっているよ!」 観客席から飛んできた男性ファンの声に気がついて視線を左足のすねあたりに落とすと、鮮やかなオレンジ色の羽根に黒い模様が入った蝶がとまっていた。そして、驚くしぐさも見せず、慌てて追い払おうともしなかった大坂はボールを手放し、突然の“来訪者”を左手で優しく包み込もうとした。 次の瞬間に一度飛び立った蝶が、再び同じ箇所に戻ってくる。観客席から笑い声が起こるなかで何とか手のひらに乗せた蝶をコートサイドまで運び、フェンスの外側にある箱の上に置いた。しかし、名残惜しかったのか。大坂のそばを離れようとしない蝶が、今度は鼻の上にとまったのだ。