リリースからわずか2年で120カ所が導入 年齢や障がい、国も超える新しいeスポーツ「UDe-スポーツ」の魅力とは
eスポーツは、オンラインで知らない人と対戦できるのが醍醐味です。池田さんは新しいeスポーツにも施設対抗戦のための「マッチング機能」のほか、「全国ランキング機能」「点数管理機能」を搭載しました。 そのほか、理学療法士の資格を持つ池田さんだからこそ思いついた機能もあります。 池田「ボタン型スイッチを使って、注意力、記憶力、動体視力、判断力の4つの機能を検査することで、利用者の機能の変化を簡易的にチェックする『認知機能検査』です。 過去のデータを見て認知機能に変化がないか確認できますし、結果をプリントアウトしてご家族に渡すこともできます」
ユニバーサルデザインの「UDe-スポーツ」完成
池田さんは新しいeスポーツを「UDe-スポーツ」と命名。2022年5月には共同で開発に取り組んできた地元企業とUDe-スポーツ協会を立ち上げました。 UDe-スポーツは「ユニバーサルデザイン・エレクトロニック・スポーツ」の略称で、「ユニバーサルデザインのeスポーツ」という意味。 ユニバーサルデザインの言葉どおり、ゲームの特別な知識や技能がなくても、子どもから高齢者まで、障がいの有無も関係なく楽しめます。2024年3月にはUDe-スポーツのシステムで特許を取得しました。 2022年7月、ついにUDe-スポーツがリリースされました。利用にかかる費用は、ボタン型スイッチと変換器の購入にかかる初期費用と月額サブスク料金。ボタン型スイッチと変換器をパソコンにつなげば、24時間365日ゲームを楽しめます。 もちろん、同じサービスを導入している施設との対戦試合も可能です。
ところが、リリース直後は営業に行っても、なかなか話を聞いてもらえませんでした。 「誰も知らない田舎の小さな会社だから、話を聞いてもらえないのも無理はないと思った」と、池田さんは言います。しかし、“ある工夫”をしたことで、少しずつ話を聞いてくれる人が増えてきました。 池田「その場でUDe-スポーツを体験してもらうんです。ゲームに親しんでいない人でも、少し教えるだけで初見でプレーできますから。 施設のスタッフがゲームを楽しむ利用者を見て、『こんなに楽しそうにしているのを初めて見た』『表情が変わった』と感じてくれて、導入先が少しずつ広がっていきました。 ある施設でUDe-スポーツのお試しをしてアンケートをとったところ、『楽しかったので継続したい』という回答が9割以上にものぼったため契約が決まったということもありましたね」