リリースからわずか2年で120カ所が導入 年齢や障がい、国も超える新しいeスポーツ「UDe-スポーツ」の魅力とは
池田「大学発ベンチャーのハイレベルなプランばかりが発表されるなか、大賞に選ばれて驚きました。でも、審査員を務めた方々からビジネスとしての可能性を評価してもらえたのだと思うと、うれしかったですね。 ただ僕自身、ゲームが苦手なので実現のためには何から始めればいいのか、見当がつきませんでした」 ピッチを終えてから池田さんのしたことは、とにかくビジネスプランをいろいろな人に話すこと。 池田さんのビジョンに共感したフィットネスジム運営会社の社長との出会いをきっかけに、大企業のシステム開発を手がけるIT企業の役員が協力してくれたり、専門知識を持つ人がハッピーブレインのスタッフとして加わってくれたりするようになり、少しずつ開発が進んでいきました。
誰でも楽しめるようゲームやボタンを工夫
新しいeスポーツは、SaaS形式で使えるようにしようと池田さんは決めていました。施設や自治体がパソコンを用意しておけば、ソフトをインストールすることなく、簡単に使い始めることができるようになります。最初に開発したオリジナルのゲームは6種類でした。 池田「徒競走、大縄跳び、玉入れなど、運動会の競技として高齢者になじみのあるゲームを考えました。知っている競技ですから、何回か練習するうちに高齢者の方もルールを理解できるようになります。難易度を変えることもできるんですよ」 ゲームの数はどんどん増えて、今では全17種類。運動会の競技以外にも、「もぐらたたき」や「だるま落とし」「じゃんけんゲーム」など昔ながらのシンプルなゲームが多いので、高齢者も楽しく遊ぶことができます。
操作は、赤、青、黄、緑に色分けされた大きな4つのボタン型スイッチというシンプルな設計。動作は「押す」だけ。複雑な操作は必要ありません。 池田「このボタン型スイッチは、すでに福祉用具として活用されている商品の中からいろいろと試して選びました。頑丈にできているので、手を使えない人は足で踏んで操作してもいいんです」