【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.11】ブラウニーとチョコレートテリーヌは何が違う?
【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.11】ブラウニーとチョコレートテリーヌは何が違う?
現役のパティシエ・大澤智弥氏がスイーツに関する素朴な疑問や隠されたヒミツ、業界にまつわる裏話などをたっぷり教えてくれる当連載。今回はブラウニーとチョコレートテリーヌの違い! 前回のガトーショコラとフォンダンショコラとも共通点が多く、今回はそのガトーショコラとフォンダンショコラも交えながら、2つのスイーツの違いを大澤シェフにじっくり語ってもらいました!
同じチョコレートケーキなのに、どれも違う!
同じチョコレートケーキなのに、どれも違う! ガトーショコラ、フォンダンショコラ、ブラウニー、チョコレートテリーヌ……これらは、広義でどれもチョコレートケーキです。ガトーショコラとフォンダンショコラ、チョコレートテリーヌ(ショコラテリーヌ)はフランス発祥のチョコレートケーキで、ブラウニーはアメリカ発祥のチョコレートケーキと言われています。同じチョコレートケーキなのに、では何が違うのでしょう。
4つの顕著な違いは、硬さ! ?
4つの顕著な違いは、硬さ! ? 「同じチョコレートケーキでも見た目や食感、そして材料や作り方が異なっているのがこの4つで、いちばんわかりやすい違いで言うなら、その食感=硬さでしょうか」と大澤シェフ。硬さからの順番で記すならブラウニー、ガトーショコラ、フォンダンショコラ、テリーヌとなるのが一般的と言われています。ただし、「硬いやわらかいだけの違いではこの4つを分けることはできない」とも大澤シェフは言います。違いの目安のひとつとして「硬さ」があり、そこには小麦粉の有無や配分など、いくつかの理由があるようです。
しっかりした歯ごたえのブラウニー
しっかりした歯ごたえのブラウニー「ブラウニーは、4つの中では一番小麦粉の量が比較的に多く、全卵を生地に混ぜ込んで作ります。そこにくるみやナッツを入れることもあります」と大澤シェフ。ブラウニーは、英語の「Brown(ブラウン)」から来ていると言われていて、アメリカ発祥の人気スイーツです。「ガトーショコラとの比較で言えば、材料こそブラウニーとガット―ショコラはほぼ同じでも、小麦粉の量がガトーショコラはやや少なく、さらに卵白をメレンゲ状にして混ぜ込んで作る場合もあり、しっとりした食感が残ります。それに対してブラウニーは、歯ごたえのあるずっしりとした食感が特徴です。この2つに比べてフォンダンショコラは少しなめらかでやわらかな食感になります。小麦粉はほとんど使わず、チョコレートのみで作ることが多く、そのためブラウニーやガトーショコラの重厚感よりも、柔らかくなめらかでチョコレートの濃厚な味わいを楽しめるスイーツです」