「今日のウクライナはあすの東アジアかも」岸田首相会見2月24日(全文1)
岸田文雄首相は24日、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「ウクライナ侵攻から1年 岸田首相が会見(2023年2月24日)」に対応しております。 【動画】ウクライナ侵攻から1年 岸田首相が会見(2023年2月24日) ◇ ◇
1年前の今日、ロシアによるウクライナ侵略が起こった
司会:ただ今より岸田内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに岸田総理から発言がございます。それでは総理、よろしくお願いいたします。 岸田:はい。1年前の今日、ロシアによるウクライナ侵略が起こりました。現代を生きるわれわれにとって、この2月24日という日は忘れられない、いえ、忘れてはならない日となりました。ロシアの戦車やミサイルが、市民が住む住宅や、橋や、発電所を無慈悲に襲い、無垢の市民が殺害される暴挙に世界中ががくぜんとしました。 あれから1年、正義を取り戻す戦いは予断を許さない状況が続いています。われわれは、ウクライナ国民が、自らの国は自ら守るという強固な信念と勇気を行動で示している姿を目の当たりにしています。こうした行動の支えとなっているのは諸国民の連帯の心です。日本国民の皆さんにもこの1年間、ウクライナ国民との連帯を明確に示していただきました。2000人を超えるウクライナからの避難民を受け入れ、生活支援等を表明いただいた自治体は300以上。職場の提供などの支援を表明いただいた企業は800社以上に上ります。また、政府としても今般、日本に身寄りのないウクライナからの避難民の方々への生活費等の支援を1年延長することを決定したところです。今回の暴挙に伴うエネルギーや食料品価格の高騰で、多大な影響を被っている中での日本国民の連帯の姿勢はウクライナ国民に必ず伝わっているものと思います。総理大臣としても心より御礼を申し上げます。
世界の平和秩序を回復しなければ
先ほど申し上げたとおり、戦況は予断を許しませんが、国際社会の平和と秩序を取り戻すため、引き続き国民の皆さんのご理解とご協力を切にお願い申し上げます。力による一方的な現状変更の試みを断じて許すことがないよう、ウクライナに対する支援とロシアに対する制裁を着実に実施し、国連憲章を含む、国際法といった法の支配に基づく世界の平和秩序を回復しなければなりません。 そうした国際社会の固い決意の中核となるのがG7です。わが国は本年のG7議長国です。そして5月の広島サミットの主催はもとより、1月から12月までの1年間を通じて、ウクライナ問題に対する結束を議長国として主導してまいります。同時に日本は、今年から国連安保理非常任理事国も務めており、国連安保理での役割もしっかりと担ってまいります。 本日は、こののち、23時からゼレンスキー大統領もお招きし、G7首脳テレビ会議を私が主催いたします。欧米の武器支援の動きが広がる一方、ロシアが新たな攻勢拡大に出つつあるなど戦況は緊迫の度を加えています。本日はこうした最新の状況についての意見交換、G7の結束確認、復興に向けた支援の在り方などについて首脳同士で集中的に議論を行いたいと考えています。また、対ロ制裁について、G7として新たな制裁の考えを示したいと考えています。さらに第三国によるロシアへの軍事支援が指摘されていることも踏まえ、G7として、そうした支援を停止するよう呼び掛ける考えです。 G7において、日本はアジアからの唯一の参加国です。平和のルールに欧州もアジアもありません。北朝鮮による頻繁なミサイル発射など、日本を取り巻く情勢も緊迫の度を強めています。また、エネルギーや食料の価格高騰はアジアをはじめ、世界各国を直撃しています。日本は平和秩序を守るための結束をアジア各国に働き掛け、同時にアジア各国の本音も踏まえた議論を米国、欧州の首脳と行ってまいります。 そして、日本は世界唯一の戦争被爆国です。過去77年間の核兵器不使用の歴史がロシアによる核兵器使用の威嚇によって汚されることがあってはなりません。今週、プーチン大統領が新戦略兵器削減条約の履行停止を述べたことに強い懸念を表明いたします。核軍縮への取り組みを続けることがますます重要となっており、G7における議論を先導してまいります。