「今日のウクライナはあすの東アジアかも」岸田首相会見2月24日(全文1)
物価対策をどう行う考えか
記者:NHKの清水です。ウクライナ情勢の国内経済への影響について伺います。先ほど総理、ご言及されましたが、侵攻が長期化する中、世界的に食料やエネルギー問題が深刻化して、国内でも物価が高騰しています。いわゆる支援疲れとならずに対ロ制裁やウクライナ支援を継続していくためには国内経済の安定化が不可欠だという見方もあります。与党内からは追加の物価対策を求める声もありますが、予備費の活用も含めて物価対策、どのように行う考えかお聞かせください。あと、時期や規模も含めて具体的に教えてください。お願いします。 岸田:まず、ご質問の物価高対策ですが、政府においてはこれまでも物価高の主因であるエネルギー、あるいは食料品等に的を絞って燃料油価格の激変緩和ですとか、特に経済的に厳しい世帯への5万円の給付、また電気・都市ガス料金上昇の負担緩和策など、累次にわたりきめ細かく対策を用意してきたところです。 そしてその上で、先ほども触れさせていただきましたが、本日、物価・賃金・生活総合対策本部を開催し、用意した総合経済対策、さらには補正予算、この執行をさらに加速化する、これを確認するとともに、エネルギーに関しては電力の規制料金の改定申請に対して、4月という日程ありきではなく、厳格かつ丁寧な査定による審査を行うなど、電気料金の抑制に向けていっそう取り組むということ。また、食料品に関しては、飼料価格の本年、4-6月期以降も見据えた激変緩和対策、あるいは輸入小麦の政府売り渡し価格の激変緩和対策、これも4月以降も講じていくということ。こういったことを指示いたしました。
情勢を把握した上で対応を考える
さらには賃上げに関しては、大手企業において賃上げに向けて前向きな動きが見られますが、やはり大切なのは、雇用の7割を占める中小企業における賃上げの流れを波及させることであるということから、賃上げ原資の確保を含めた適正な価格転嫁を定着させるため、価格転嫁対策の強化を図ること、こういった指示をしたところであります。現状の総合経済対策を1日も早く執行することと併せて、さらに今、申し上げた点等において、いっそうの対策を用意していかなければいけない、こういった問題意識に立っています。 ウクライナ情勢、先行き不透明であるということでありますので、世界的な物価高騰の動向についても予断は許されないと思います。引き続き機動的な対応、これを考えていかなければならないと思っております。ぜひ与党とも連携しながら、情勢をしっかり把握した上で、この対応を考えてまいります。以上です。 司会:ここからは幹事社以外の方からご質問をお受けします。ご質問を希望される方は挙手をお願いします。こちらで指名いたしますので、マイクにお進みください。それでは、共同通信、鈴木さん。