新たな目標を見つけた息子。一方、母が入院したことで厄介なことが…。

WEB Domani「39歳、子連れ再婚の365日」

バツイチ子持ちの39歳、あおいあんさんの実録再婚ストーリー。夫婦仲に反抗期の子ども、義母との関係etc…リアルな毎日をお届けします。今回は第50回。現在Season3をWeb Domaniで連載中。最新話は毎週月曜日19時更新です！ ------------- 【登場人物】 あん（私）…メーカー勤務のシングルマザー。8年前に離婚し、実家に出戻り。40歳。 蓮…あんの息子。生意気盛りの小学6年生。 臣斗くん…あんの会社の後輩・海斗くんの大学の同級生で再婚相手。35歳。 結衣…蓮の彼女。4年生からS塾に通い中学は女子校へ進学。 お母様…臣斗の母。英語教師で蓮の中学受験を強力プッシュ。 蒼先生…蓮の家庭教師で東大生。 【前回までの話】 シングルマザー歴8年を経て、事実婚という形で再婚に踏み切ったあん。義母から中学受験を進められるもあんは反対派でいたが、息子・蓮の前向きな気持ちと、夫・臣斗のサポートもあり中受へ臨むことを決意。 いくつもの壁にぶつかりながら時は過ぎ、冬季講習・正月特訓を乗り越え、1月校では3戦2勝、2月校では第一志望が不合格になるも第三志望の学校に合格し入学の意思を固める。時を同じくして、あんの母が緊急搬送され入院となり… ------------- こんにちは。40歳を目前に、子連れで再婚をしたあおいあんです。 前回は母の検査結果をお伝えしました。 蓮が楽しみにしていた週末のお見舞い。母にたくさん話しかける蓮。母の体力を消耗してしまうと思い、私が帰ろうと声をかけようとした瞬間、蓮から驚きの発言が。 蓮：おばあちゃん、僕ね英語の塾行こうと思うんだ 私も母もビックリした。中受が大成功とは言えない結果で終わり、傷心のため小学校にも行けない日々が続いた蓮。母が癌だと知って、塾へ行かず毎日一緒にいればよかったとついこの間泣いていたのに…。 母：英語の塾へ行きたいの？ 蓮：うん。結衣ちゃんから聞いたんだけど、中学行くまでに英語と数学を勉強しておいた方がいいんだって。でもふたつやるのは嫌だから、英語だけ結衣ちゃんと同じ塾へ行こうかなって 私：結衣ちゃんが通ってる英語の塾は電車乗って行くところだよ 蓮：もう中学生になるんだからひとりで行けるよ S塾の時と同じ、結衣ちゃんが通ってるから行きたいという衝動だけで塾を選ぶのはいいのだろうか。正直、結衣ちゃんと蓮ではレベルが違う。ただ義母も英語の塾へ通わせた方がいいと言っていたし、蓮が行く中学校も英語に力を入れている学校。頭の隅ではどうにかしなくちゃとは思っていた。母が入院している以上、塾を何校も見て回ることはできないなと思っていると… 母：結衣ちゃんの英語の塾がどんな塾だかおばあちゃんには分からないけど、ママや臣斗くんと一緒に考えて、きちんと続けられるところに決めたらいいよ 蓮：うん。受験終わった時はもう塾なんて行きたくないし、努力は必ず報われる！なんてウソだと思ってたけど、学校へ行ったら受験組で落ちた子いっぱいいたし、第一志望に受かったのなんて小虎だけだった。だからこれから中学で頑張って学年1位を目指すんだ。それに小学校へ行けなかったの、多分塾ロスだったかもしれないと思って 塾ロス!?…確かにあれだけ毎日のように通っていたのに、入試終了と同時にプツンとなくなるとロスになってもおかしくないか。大人たちは頑張ってきた分、しっかり休ませてあげようとしてきたことが逆効果だったんだ。 私：じゃあ、そろそろ帰って英語の塾を検索してみよう 蓮はまだいたいと少しごねたが、タイミングよく看護師さんがバイタルチェックに来たので母にハグをして帰ることにした。 蓮：おばあちゃんのお腹どうしたの？なんか腫れてない？ 帰り道私に聞いてきた。 私：腹水って言って、お腹にお水が溜まっちゃって大きくなってきちゃったの 蓮：痛いのかな？ 私：一緒にいる時はあまり痛そうな感じは見せないけど、やっぱ気持ちいいものではないんじゃない？ 蓮：針でつついたらお水がピューと出ちゃえばスッキリするのにね なんとも子どもらしい発想で心がほぐれた感じがした。家に帰ると早速結衣ちゃんが通ってる塾を検索した。英語塾では有名なところらしいが、ホームページだけではイマイチよく分からなかった。もう3月から新学期が始まるようだったが、まだ説明会も募集していたので予約をした。英語塾へ通わせるとなるとお金もかかるし、義母の言いなりのような気もするし、なんとなく臣斗くんに相談しにくかった。 後日、蓮を連れて説明会に参加した。カリキュラムや卒業生のお話など、セールストークだと分かっていても、単細胞な私たちは、この塾へ入れば英語がペラペラに喋れるようになるのではと思ってしまった。結衣ちゃんはすでに1回授業を受けたらしく結衣ちゃんママに話を聞くと 結衣ちゃんママ：宿題が多くて大変！でもこなしていけば絶対的に英語は力がつくと思うし、学年のトップ層にはなれそうだよね とのことだった。宿題の多さがネックだよな。部活に入りたいって言ってたし、学校の宿題と塾の宿題と両立できるんだろうか。やっぱり自分だけでは結論が出ず、臣斗くんへ連絡をした。 臣斗：その英語塾知ってるよ。最近人気があるよね。悪くないと思う。蓮が通いたいなら行かせてみたら？ただし、中受とは違って行かなくてもいい塾なわけでしょ。きちんと宿題をやるとか、病欠以外の欠席は認めないとか中学生になるんだからちょっと厳し目のルールを作った方がいいかもね 私：ほかの塾も見てみた方がいい？また結衣ちゃんが通ってるからっていう理由だけで決めていいのかな？ 臣斗：そこは気にしなくていいかも。説明会行って雰囲気が蓮に合ってたんでしょ？それに結衣ちゃんがいることで頑張れるならサボることもないだろうし 私：確かに。結衣ちゃん会いたさにサボることはなくなるね。じゃあちょっとルール考えてみる。あとちょっと言いにくいんだけど…お母様には英語塾行くことしばらくは黙ってて欲しいの。続けられるかも分からないし… 臣斗くんは「分かった」と言って電話を切った。私はルールを考えつつ、夕飯とお弁当の支度に取り掛かった。しばらくすると父が帰宅。シャワーを浴びさっさとパジャマに着替えると大音量でTVを見始めた。 TVの音量が大きいのは昔からだが、最近より大きくなった気がする。もしかして耳が遠くなってきたのかも!? 3人で食事を済ませ、脱衣所に行くと父の脱いだ洋服がまた洗濯カゴに入っていなかった。なんなら、洗面所の引き出しも開けっぱなし。 食事や掃除は元々私と母でやってきたが、父の面倒は母が見ていた。母が入院したことで、必然的に父の面倒を私が見ることになる。ちょこちょこ注意をするのだが、2～3日後には元に戻ってしまう。英語塾のルールも大切だが、父へもルール作りが必要かもしれないと思うとゲンナリした。 （次回に続く）