海外メディアは大坂なおみの全米OP2年ぶり決勝進出をどう伝えたか?「人間として選手として成熟」
テニスの全米オープンの女子シングルス準決勝が10日(日本時間11日)、ニューヨークで行われ世界ランキング9位の大坂なおみ(22、日清食品)が同41位のジェニファー・ブレイディ(25、米国)を7-6、3-6、6-3のフルセットの末に破り、優勝した2018年以来、2年ぶりの決勝進出を決めた。第1セットからタイブレークに突入する激しいラリー戦となったが、大坂はミスをわずか「4」に抑えるテニスで終盤に5ポイントを連取して先手を取った。第2セットは奪われ勝負はファイナルセットにもつれたが、冷静な試合運びで2時間を超える激闘を制した。大坂の決勝進出を海外メディアはどう報じたのか。 英国のBBCは、「大坂が質の高いプレーで接戦を制した。成熟した大坂が、栄光の全米オープンで再び勝つチャンスを得る」と伝えた。 「大坂は2年前にニューヨークでグランドスラム初優勝を遂げた、5か月後の全豪オープンで連勝したが、その後、世界トップ選手としてのプレッシャーに対処することに苦労した。新型コロナウイルスのパンデミックが引き起こされる前に10位までランキングを落とした後、彼女は、またこのテニス界を支配し続けることができる選手のようになって戻ってきた」と、復活ぶりを称えた。 さらに「大坂は、最初のグランドスラム大会の勝利から人間として選手として成熟を見せている」とし、「新コーチのウィム・フィセッテ氏は、『人種不正義や警察の残虐行為に対する抗議活動が、ニューヨークで勝つための理由のひとつとして、彼女をさらに力づけている』との見解を示している」と紹介した。 大坂は今大会に7つの黒マスクを用意して入場の際に着用。それぞれに人種差別被害にあってきた人たちの名前を入れ、社会的メッセージを発信し続けている。準決勝では、2016年にミネソタ州で警官に射殺されたフィランド・キャスティルさんの名前を入れていた。そういった抗議行動が大坂の戦うモチベーションにもなっている。