東京五輪のTV視聴率で日米格差…米NBCは前大会に比べ42%減の衝撃的数字で今後の五輪の在り方に岐路?!
東京五輪が終わり、国内外で数字による大会の成否の実態が明らかになりつつある。そのひとつがテレビ視聴率。日本でNHK、民放各社が「ジャパンコンソーシアム」を組んで平昌冬季五輪と合わせて約660億円で放映権を購入したテレビ視聴率は、開会式の平均世帯視聴率が56.4%、閉会式も46.7%を記録。また競技では最高が野球決勝の37.0%、男子マラソンも31.4%を叩きだし、男子サッカー準決勝日本-スペイン戦は30.8%、卓球女子団体決勝の日本-中国も26.3%をマークするなど(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)、のきなみ好調で無観客の中でも大成功したと言える。だが、一方で、2032年まで総額76億5000万ドル(約8400億円)の巨額な放映権契約をIOCと結んでいる米NBCの視聴率は低調に終わった。米メディアもNBCの惨敗についての検証記事を掲載した。 「NBCが東京五輪で夏季五輪で過去最低の視聴率に終わる」との見出しで報じたのはウォールストリートジャーナル紙だ。 NBCが発表したデータによると、今大会の平均視聴者数は1550万人で、同局が1988年のソウル五輪から中継を開始して以来、夏季五輪では最低の数字。前大会のリオ五輪に比べて42%減という衝撃的な数字となっている。 ただ同紙によると「NBCユニバーサルは、アスリートの何人かが参加できず、会場への観客入りが許されないなど、新型コロナによって引き起こされた問題のため視聴者数が落ちることを見込んでいた」という。 NBCスポーツのピート・ベバクア会長の、「スポーツ界を覆った新型コロナを考えたとき、この数字についての覚悟ができていた。良くも悪くも、パンデミックと、1年の延期が五輪大会に影響を及ぼした。だが、NBCの放送は、毎晩のテレビ放送で他局よりも優位に立っていた」というコメントを紹介。 ベバクア会長は「東京五輪はパンデミックによる困難にもかかわらずNBCユニバーサルにとって非常に良い利益をもたらすだろう」とも語ったという。NBCユニバーサルは、12億ドル(約1327億円)の広告収入をもたらした2016年リオ大会の広告売上げを上回ったことも明かしている。