罪悪感を手放して「自分の時間」を楽しむには?忙しい母親が身につけるべき“孤立のスキル”
罪悪感を手放し、一人の時間を見つけるには?
親として一人になる時間を選んだとき、とくに幼い子どもの場合、相手を拒絶しているようで罪悪感を抱くことはよくある。一人になりたいとき、この罪悪感とどう向き合えばいいのだろう? 「一人の時間を過ごすことを、自己成長と元気回復のため機会と捉え直すことで、罪悪感を感じるのではなく、自分を思いやることの方に重点を置くマインドに切り替えやすくなります」とエルムス。機内の緊急時には子どもより親が先にマスクを着けるのと同じ考え方で、よりよい自分でいるからこそ、よりよい親でいられるようになる。セルフケアや一人の時間の重要性については、家族とオープンに話し合うことがとても大切なんだとか。 「これに加え、家族にも一人の時間を持つように奨励することで、家族の中で一人の時間を過ごすことが定着していき、拒絶している感覚を減らすのに役立ちます。私は幼い2人の子どもの母親ですが、定期的にスケジュールを組むことのメリットを感じています。一人の時間を過ごすことが習慣になり、家族の生活の一部になっているからです」とエルムス。 「自分時間を持つことは、健康的な食事や運動と同じく、健康に欠かせない要素だと理解するといいでしょう。家族の健康として、家族皆がこのことを理解し、尊重することが大事です」とトゥローニ博士。
「孤立のスキル」を身に付ける
作家のフランチェスカ・スペクターの著書『Alonement: How to be alone and absolutely own it』のガイドブックの中で、彼女はひとりの時間を愛する人に向けて「孤立のスキル」を主張している。これは社会的なスキルの対にあるもので、感情的成長を示す重要な指標だと説いている。 私たちが他人のニーズを満たすことで忙しくなると、自分の欲求を満たすこととは無縁になり、最終的には自分を見失うことがよくある。この対処法にスペクターは、孤立のスキルとして「ポジティブなワガママ」になることを提案している。つまり、誰にも害のない形で自分を満たすアクティビティにふけるということ。スペクターの信念では、自分のニーズが満たされていれば、他者と一緒に過ごすときに妥協しやすくなる。 さらに、質の高い一人の時間の作り方を学ぶことも重要なスキルだとスペクターは言う。これは、ソーシャルメディアを無心にスクロールしたり、頭であれこれ考える時間に一人の時間を費やさないようにするため。スペクター自身は、ワクワクを胸にソロデートを前もって計画し、貴重な数分や数時間を無駄にしないようにしている。 トゥローニ博士も同じく、時間を有効に使うことの重要性を強調している。「読書やジャーナリング、マインドフルネスの実践、趣味の探求に時間を使いましょう。一人の時間を意義あるものにするには、意志を持つことが必要です。それが休息や内省するための時間であれ、新しいことを学んだりリラックスするための時間であれ、それをするという意志を持つことです」 また、スイッチをオフにする方法を学ぶことも、とくに、取り残される不安や恐怖(FOMO)を避けるために大切だという。「一人で過ごすと決めたとき、社会活動を逃すことに罪悪感や不安を感じることがあるかもしれませんが、一人になるということは、外の世界とのつながりを断ち、自分の思考や感情に集中することを可能にしてくれる時間なのです」