東京五輪の無観客開催を金メダル狙う森保Jイレブンはどう受け止めたのか…「声が通る」「ホームの雰囲気が…」
東京五輪の開幕までわずか15日に迫った8日に、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県のすべての競技会場で観客を入れずに開催されることが決まった。 東京都への4度目の緊急事態宣言発出が同日に決定した状況を受けて、大会組織委員会の橋本聖子会長、東京都の小池百合子知事、政府の丸川珠代五輪相、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長、来日したばかりの国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長による5者協議が8日夜に行われた。 この場で東京都での無観客開催がまず決定。続けて行われた自治体などとの連絡協議会で、埼玉、千葉、神奈川県での無観客開催も承認された。3県は緊急事態宣言ではなくまん延防止等重点措置の対象自治体だが、東京都と隣接している状況から、大会組織委員会との事前調整で足並みをそろえる必要があるとの認識で一致していた。 6月21日の前回5者協議で、観客数の上限が「各会場の収容人員の50%以内で、なおかつ最大1万人まで」と決まってから2週間あまり。緊急事態宣言が再発出されればあらためて検討する方針も確認されていたなかで、特に都内における新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて、土壇場での方針転換を余儀なくされた。
日本男子サッカーはグループリーグ全試合が無観客
五輪では2000年のシドニー大会から、中2日の試合間隔を設ける日程を確保する目的で、開会式に先駆けて男女のサッカー競技をスタートさせてきた。もちろん東京大会も例外ではなく、23日の開会式前の21日に日本女子代表(なでしこジャパン)対カナダ女子代表が札幌ドームで、22日には男子のU-24日本代表対U-24南アフリカ代表が東京スタジアムで、いずれもナイトゲームで行われる。 北海道の観客に関しては現時点で調整中となっているが、東京スタジアムは最大1万人が観戦する光景が一転して無観客となる。 さらに25日のU-24メキシコ代表戦(埼玉スタジアム)、28日のU-24フランス代表戦(横浜国際総合競技場)と、男子はグループリーグのすべての試合を無観客の状況下で戦うことが決まった。 母国開催の五輪に臨むメンバー22人がすでに決定したU-24代表は、今月5日から静岡県内で事前キャンプをスタートさせている。結論が何度も先送りされ、迷走が繰り返された末に「無観客」となった状況を、選手たちはどのように受け止めているのか。 東京都への緊急事態宣言の再発出と、首都圏での無観客開催の可能性がすでに報じられていた8日午前。練習に先駆けてオンライン取材に対応した20歳の谷晃生(湘南ベルマーレ)は、最後尾から味方へ的確な指示を送る役割も担うゴールキーパーの立場から、無観客開催を「その分、プラスにとらえれば」と務めて前向きに受け止めた。 「声が通ることで味方とのコミュニケーションが取りやすくなるなど、そのような状況をポジティブな部分ととらえるしかないと思っています」