車いすバスケ女子日本代表がパリパラ準々決勝へ…グループ全敗も強豪相手に見せ場
■ 勝つチャンスがあったドイツ、アメリカ戦
9月1日に行われた第2戦の相手はドイツ。グループリーグで最も実力が拮抗した相手で、今大会初勝利が期待された。予想通り接戦となったこの試合、観客を最も魅了させたのが、キャプテンの北田だった。 第1戦での負傷退場の影響はなく元気な姿を見せていた北田は、第1クォーター途中でコートに立つと、いきなり3ポイントシュートでブザービーターを決め、会場を沸かせた。さらに10点のビハインドを負った後の第3クォーター、わずか1分半で2本の3ポイントシュートに加えてバスケットカウントでのフリースローも決めるなど独壇場とし、一人で11得点を挙げた。このキャプテンの活躍で、日本は再び接戦に持ち込んだ。 第4クォーターにも3ポイントシュートを決めた北田は、この日、50パーセントの成功率で4本の3ポイントシュートを決め、チームをけん引した。北田は22得点14リバウンド、網本麻里(4.5)も14得点11リバウンドとそろってダブルダブルをマーク。しかし、その他のシューターたちがまだ本領発揮とまではいかず、第4クォーターはドイツが18得点だったのに対し、日本は9得点とダブルスコアとされた。結局、55-67で敗れ、連敗を喫した。 翌2日にはグループリーグ最終戦でアメリカと対戦した。スピードとトランジションの速さとのガチンコ勝負になるという予想は大きく外れ、アメリカは意外にもゆっくりと攻め、ハーフコートでのセットオフェンスを主軸とした戦略だった。 開幕前にアメリカと練習試合をしていた日本は、こうした戦略を事前に知ることができていたが、それでもアメリカの“巧さ”に苦戦を強いられた。逆サイドをつかれる形でカットインを許し、フリーの状態でシュートチャンスを与えてしまった。 ただ、日本の執拗なディフェンスは徐々に機能し、アメリカがシュートを外すシーンも少なくなく、フィールドゴール成功率は43パーセントにとどまった。得点力のあるアメリカを60点台に抑えたことはディフェンスの成果であり、日本にも勝つチャンスが十分にある試合だった。 しかし、日本はオフェンスでミスが多く、ターンオーバーは1試合1ケタという目標から大きく外れ、17にものぼった。それが攻撃機会を減少させる原因となり、アテンプト自体がアメリカが69に対し、56にとどまった。その結果、52-62で敗れ、3連敗。日本は未勝利に終わり、グループリーグ最下位の4位となった。 それでも、3試合を通して日本のいい部分も十分に出ており、シューターたちの当たりも戻りつつある。勢いを加速させた状態で最も大事な一戦に臨むことができそうだ。 4日からはクロスオーバーでの決勝トーナメントがスタートする。日本は、3戦全勝でグループAの1位となった中国との対戦が決まった。2013年のアジアオセアニアチャンピオンシップス以来、11年ぶりとなる中国戦での勝利を挙げ、2008年北京大会以来となるパラリンピック4強へ。となるパラリンピック4強へ。注目の準々決勝は日本時間4日19時45分にティップオフだ。
BASKETBALL KING