車いすバスケ女子日本代表がパリパラ準々決勝へ…グループ全敗も強豪相手に見せ場
8月28日に開幕したパリ2024パラリンピック。2008年北京大会以来、4大会ぶりに自力出場を果たした車いすバスケットボール女子日本代表は、グループリーグで全敗を喫し、通算0勝3敗でグループBの4位となった。9月4日からはいよいよクロスオーバーでの決勝トーナメントが始まる。果たして日本は、どんな状態で今大会最大のターゲットとしてきた一戦を迎えようとしているのか。グループリーグ3試合を振り返る。 文=斎藤寿子
■ 世界最強国相手に奮闘したベンチメンバー
今大会は4カ国ずつ2つのグループに分かれて総当たりでのリーグ戦が行われ、その順位に従ってクロスオーバーでの決勝トーナメントが行われる。オランダ、ドイツ、アメリカと同じグループBに入った日本は、競技2日目の30日、初戦でオランダと対戦した。 2018年世界選手権で優勝して以来、世界一に君臨し続けているオランダは、随一の高さを誇り、スピードも兼ね備えた最強国。そのオランダに、日本は第1クォーターから完全に主導権を握られ、大きく引き離された。 ただ、オフェンスが通用しなかったわけではなかった。前半のアテンプト数はオランダが36本に対し、34本とほとんど変わらず、しっかりとシュートチャンスは作れていた。ただ、前半のフィールドゴール成功率は、オランダが67パーセントだったのに対して、日本は21パーセントと、最も大事なフィニッシュのところで大きな差が生まれた。 高さで劣る日本は、どうしてもほとんどのシュートシチュエーションでミスマッチの状態からのタフショットを余儀なくされた。そのためジャンプアップされてミスマッチの状態を作られる前に、日本はキャッチしてから素早くリリースしなければならなかった。そうした難しいシュートを決め切るだけの力を、海外勢よりも必要とされるのは日本の宿命でもある。それが改めて明確となった試合でもあった。 とはいえ、ただやられたわけではない。第4クォーターに意地を見せたのが、ベンチスタートの土田真由美(持ち点4.0)だ。第3クォーターで今大会、自身初得点を挙げ「感覚をつかんだ」という土田は、第4クォーターではスタートで起用されると、フリースローを2本ともに決めたのを皮切りに、次々とミドルシュートを決めていった。10分間でのフィールドゴール成功率は62.5パーセント、フリースローを含めれば70パーセントという驚異的な数字を残した土田は一人で12得点。第4クォーター途中でキャプテン北田千尋(4.5)が激しく転倒し、負傷退場するというアクシデントに見舞われたチームを鼓舞するのに十分な活躍だった。 それでも最後までオランダの勢いを止めるまでには至らず、34-87で敗れ、日本は黒星スタートとなった。