健康な人はみんな歩いている。ちょっと待った、じゃあ、歩いていない人は一体どうすればいい?(専門家が監修)
AFTER:10年間歩き続ける人はいいことがいっぱい!
さていよいよ、インターバル速歩を10年継続した結果発表。膝の伸展・屈曲筋力が何もしなかった同年代の人に比べて20~30%高く、さらに持久力は40%も高いという結果が出た。パチパチパチ!!! 40代以降、筋肉の量は放っておけば年に1%のペースで減っていく。つまり、10年間ぐだくだしていたら10%減。その20~30%増ということは、筋肉量が少なくとも10年分、多く見積もって20年分若返ったということ。こうした結果を受けて、インターバル速歩を10年間続けることは加齢による体力低下の防止に大いに有効、と結論づけられたのだ。 これを朗報と呼ばずして何と呼ぶ? 人生100年時代といわれる今、今日からコツコツ歩き続ければ必ずウェルビーイングな未来が待っている。筋肉不足で悩んでいた人も、忍び寄る生活習慣病の影に怯えていた人も、ちょっとしたことでいちいちキレ気味だった人も、40代を迎えて惑い焦っていた人も、10年歩き続ければ、QOL(生活の質)を高めることができるのだ。もう、歩くしかない。
体型も体力も10年前と変わらず若々しさを保っている
日の出とともに愛犬と散歩に出て、3分間シャカシャカ歩き、その後愛犬の道端探索に付き合って3分間ゆっくり歩く。この朝のウォーキングがもう10年来の習慣だ。 朝一発目に太陽の光を浴びるので体内時計が整い、朝食も美味しく食べられるし、夜もぐっすり眠れる。体型もウェストまわりも10年前からまったく変わらず、洋服も無駄に買い替える必要がないのでなかなかのSDGs。同年齢の男性に比べて肥満の兆候もなく、毎年の人間ドックでも異常なしのオールA判定。会社の部下からもご近所さんからも「お若いですね~」と言われると、エヘヘ正直嬉しいデス。おっと、自慢している間にもう3分、シャカシャカ歩きに切り替えなきゃ!
70代を迎えるも健脚を維持、2000m級の山を縦走することも
今月は白馬、来月は五竜、再来月は鹿島槍ヶ岳、と。登山のテレビ番組の予約表? いやいや、ワシが実際にこの脚で登る予定表じゃ。おっ、今「2000m級の北アルプスの山々をこんなおじいちゃんが登れるの?」と思ったろう。フフフそれが登れるんじゃ。 60代から3分間だけ息切れするくらい頑張って歩いて、3分間はゆっくり歩くというウォーキングを続けていたら、70代になっても太腿の筋肉が衰えるどころかがっしりしてきて、若い者に負けないくらいのペースで登山が楽しめるんじゃ。来年は2泊3日で南アルプスを縦走しようかと思っとる。歳をとると若い時には見えなかったものが見えて楽しいぞ。楽しむためにも体力はマストじゃな。
多趣味かつ好奇心旺盛。若者との会話も小気味よく弾む
速歩きとゆっくり歩きを繰り返すウォーキングをするようになって、はや10年。実はそれまで更年期の症状に悩まされていて、気分が鬱々としていたんだけど、歩くようになってからは気分がどんどん前向きに。 ある程度年齢を重ねたら、「運動をした方がいい」ではなくて「運動しなければならない」ってどこかで聞いたことがあるけど、本当にそう。ちょっと油断して運動不足になると体調が悪くなったりイライラして誰かに当たったりするんですもの。 今は俳句に陶芸、社交ダンスの教室に通っていて若い人と会話することも楽しいです。今度、飲み会に誘われちゃったんだけど、どうしましょ。話のタネに行ってみようかな。
取材・文/石飛カノ(初出『Tarzan』No.866・2023年10月5日発売)