築25から35年前後のアラサー・アラフォー住宅に必要な<診断>とは?床問題、傾き、沈み…建築家が「中古住宅における修繕順」を時系列で解説!
◆アラサー、アラフォー住宅は「床の沈み」に注意! 次に注意したいのは、床の沈みだ。最初に気が付く箇所は、洗面脱衣室あたりでお風呂との境の床だ。「ぐにょり」という違和感。この沈み込む感じが最初に現れる。 アラサー、アラフォー住宅の床は一見すると木の厚い板が張ってあるように見える。しかしながら実際は表面に数ミリ本物の木を貼ってあるだけで、残りは合板である。 合板は接着剤で貼り合わせるので湿気に弱い。床下は土だから絶えず湿気にさらされるから接着が剥がれ、木も腐り、やがて歩くたびにトランポリンのように床が「しなる」ようになる。 いつ足が床を踏み抜けてしまうか気が気でない日々を過ごすのは、心にも体にも悪い。 直す方法は大きく分けると二つ。いったん床と下地を撤去し、防湿シートを貼る、コンクリートを打つ、床下換気扇を付けるといった施工のあと、新たに床下地を組み、合板を張る。 さらにその上に仕上げの床を張る。床だけでなく、床と接触する壁や建具の敷居も補修するので大工事になるが、クオリティは折り紙付きだ。 もう一つは応急処置パターン。次回同じ症状が出たら家自体を解体するという前提で、現状の床の上に6~12ミリ厚の床板を貼り増す方法だ。 5メートル程度の廊下で15万~20万円といったところだろう。2階の部屋の床も沈んでいる場合もあるが、この方法だと安価で済む。 「あと10~20年住めればいいや、だから予算は最低限に」という方向けの期間限定の対処法である。 ※本稿は『人気建築家と考える50代からの家』(草思社)の一部を再編集したものです。
湯山重行
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