築25から35年前後のアラサー・アラフォー住宅に必要な<診断>とは?床問題、傾き、沈み…建築家が「中古住宅における修繕順」を時系列で解説!
子どもがもうすぐ独立、このまま独身で生きようかと考えている、親がそろそろ要介護、定年退職が見えてきた、…など、人生のセカンドステージを迎える時期だからこそ、住まいの観点から新しい生き方を考えてみませんか。小さな家・二拠点生活・古民家・空き家活用など、時代に合った「住まい方」に挑戦した、50代以降の女性達を多数紹介した書籍「人気建築家と考える50代からの家」より一部を抜粋して紹介します。 【書影】人生の節目で一旦立ち止まり、理想の未来と家を考えるきっかけに…湯山重行さん著書『人気建築家と考える50代からの家』 * * * * * * * ◆アラサー・アラフォー住宅は早めの診断を 築25~35年前後の建売住宅のことを、私はアラサー住宅と呼んでいる。 1980年代後半のバブル期に建てたとすれば、そろそろアラフォー住宅である。30代で家を建てたシニアの方の家がまさにこれに当たる。 既にあちこち手を加えているかと思うが、家を建てたあと、修繕が必要になる順番を時系列に書いてみる。家は丁寧に扱えば長く住めるので、定期的にきちんと診断してもらうことをお勧めする。 〈新築後5~10年目=防蟻工事〉新築後5~10年目にはシロアリの防蟻工事が必要になる。1990年代に建てられた住宅では、これをやっていないことが圧倒的に多い。 しかし、シロアリが発生してから対策を講じていたのでは、被害の度合いが異なる。防蟻工事をしないで晩年に痛い出費になったお宅は経験上、かなり多い。 〈築10年目=外壁塗装〉築10年目あたりで外壁の塗り直しが発生する。色があせて見栄えが悪くなるだけでなく、表面のコーティングがはがれたり、サイディング(外壁に貼る仕上げ板)の継ぎ目が劣化し隙間から水が浸入するからだ。 二階建てであれば足場を組む必要があるので、少々値が張って100万~200万円ぐらいが目安。足場を組むついでに屋根を塗り替えたり補修するのであれば、追加で50万~100万万円といったところだ。 最近の屋根は15年ぐらいは耐えている感じなので、次の外壁を塗るタイミングで修繕してもいいが築20年後となると微妙なところだ。現場の状況による。 〈築10~15年目=設備の入れ替え〉築10~15年目は、内部の設備が壊れ出す頃だ。多いのはガスレンジの交換だ。ホームセンターで販売している置き型タイプだと、本体も交換工賃も安価なので5万~10万円。 システムキッチンに組み込まれているビルトインタイプだと本体と工賃で15~25万円。IHクッキングヒーターに取り換えるのであれば電気工事も必要だから、本体と工賃で25万~35万円というところであろう。
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