体臭に服、生ごみetc…あらゆる“臭い”を消す万能スプレー「NIOCAN(ニオキャン)」
暑くなってくると悩ましいのが臭い。ここ数年は「スメハラ」という言葉も生まれ、社会的な問題にもなっている。 そんな臭いを精油の力で無臭化できると注目を集めているのが「NIOCAN(ニオキャン)」だ。汗や洋服の臭いだけでなく、ペットや生ごみなど、日常生活のあらゆる臭いを一本で消すことができるという。 その秘密、臭いのメカニズムについて、第一工業製薬の高原英二さんに話を聞いた。
臭いは温度と湿度が密接に関係
ー暑くなってくると臭いが気になりますが、なぜ夏は臭いやすいのでしょうか? 例えば、暑さで汗をかくと皮脂と交じり合い、細菌が分解する過程で臭いを発します。また生ごみなどは、温度で腐敗が進むことで一層臭いを感じることになります。 臭いは温度と湿度と密接に関係します。臭いの原因は菌が関係していて、温度が上がると菌が活性化します。そして湿度が高くなると、空気中の水分が増え、これが菌と反応して、臭いを感じやすくなるんです。 つまり、生活周りの臭いは菌も活性化しやすい高温多湿状態だとより深刻になるということです。例えばハワイはとても暑いですが、湿度が低いので、臭いを感じにくい。洗濯物の生乾き臭も、洋服に残っている菌と水分が反応することで、臭いやすくなるということです。 ー臭いやすい人と、臭わない人がいるのはなぜでしょう? 汗自体は本来無臭なのですが、ストレス臭という言葉があるように過度のストレスが継続したり、脂の多い食事に偏ることなどがあると、臭いに影響します。 男性でよく言われる加齢臭やミドル臭も女性は敏感に感じやすい反面、意外と男性はそこまで感じないとも言われています。
業務用の既存技術に着目し、商品化へ
ーNIOCANを開発されたきっかけを教えてください。 まず弊社はBtoBが主体で、さまざまな事業のなかで、消臭に特化した事業も展開しています。 このうちのひとつとして、工場や汚水処理場の排水や排煙、ゴミ集積場など、悪臭が出る場所の消臭対策を長年行ってきました。 意外に思われるかもしれませんが、これらの現場で使われているのが「精油」です。私は3年前に化粧品業界から転職をしてきたのですが、こんなところで精油が使われているということに、とても衝撃を受けました。 ー化学薬品など、ケミカルなものが使われていると思っていました。 そうなんです。ところが長年携わってきた研究員からすると、このような技術は当たり前すぎて「いまさら何を言っているんだ」というものだったんです。 でも私としては、こんなに面白い技術が埋もれているのはもったいない。ぜひ商品化をするべきだと訴えたのが、開発のきっかけです。ただ、当初は「こんな当たり前のことが本当に商売になるのか」と懐疑的な声もありました(笑)