贅沢もせず堅実に生きてきた59歳・年収600万円の会社員、定年間際の貯蓄300万円で「崖っぷち老後生活」へ。元凶は一人息子がやめられない「怖い遊び」
息子のオンラインゲーム中毒が招いた深刻な状況
厚生労働科学研究が行った調査では、ネット依存が疑われる中高生の数は推定値で2012年の52万人から2017年の93万人、割合も全体で7.9%から14.2%へと大きく増加しているという結果が出ています。このようなネットやゲームへの依存の社会問題化を受け、2019年にはWHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を正式に国際疾病として認定しました。 そしてゲーム障害は様々な問題を引き起こします。今回のご相談者であるAさんの息子の大学生活に大きな影響を及ぼしているのも、オンラインゲームへの依存によるゲーム障害と考えることができます。オンラインゲームにのめり込むあまり、夜更かしが増え、授業に出席しない日が多くなりました。 Aさんは「ゲームばかりでは将来のためにならない」と感じながらも、可愛い一人息子に厳しい言葉をかけることができず、Aさん夫妻は無理を重ねて学費の支払いやゲームへの課金を続けてしまいました。この息子に対する「甘さ」が、さらに負担を重くしたと言えるでしょう。
早めの資金計画と子どもの自立を促すコミュニケーションが重要
「子どもの教育資金がかさむ一方で、老後資金の確保ができない」という状況は、高齢で子どもを持つ家庭にとって決してめずらしいことではありません。そのために必要な対策は、下記のようなものになります。 ライフプランを作って早めの資金計画を 教育資金と老後資金を両立させるには、早い段階でのライフプラン作りが重要です。どの時期にどれくらいの収支があるかを把握することで、日々の支出の見直すきっかけになったり、資産運用で老後資金を準備していく、など事前に備えを始めることができます。 ローンや奨学金の活用 教育資金が家計を圧迫する場合には、ローンや奨学金の活用も一つの選択肢です。これらを利用することで、教育資金を親だけが負担する必要がなくなり、子ども自身も「自分の将来のために借りている」と当事者意識を持つことができます。 子どもの自立を促す親子のコミュニケーション 将来的に親自身が経済的に困窮してしまえば、子どもにもその影響が及びます。そのため、日頃から親子でコミュニケーションを取り、金銭感覚や家計管理の重要性を教えることが大切です。「進学に必要な費用を一緒に計算する」「奨学金の利用について親子で相談する」「クレジットカード利用について話し合う」といったコミュニケーションは、子どもの自立を促すことにも繋がります。 特にクレジットカードは使った感覚が薄く、ついつい使いすぎてしまう傾向にあります。利用限度額を設ける、利用するにあたっての注意点を伝える、社会人になってから自分でクレジットカードを作らせるなど安易に渡さないようにしましょう。
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