【楽天】東北に再び歓喜を…新戦力がもたらす希望 プロ野球12球団担当記者が見た2024年
勝利の方程式
2024年、中継ぎ陣では2人の投手がブレイクを果たした。 プロ6年目を迎えた鈴木翔天(28)は、チーム2位タイの49試合に登板し防御率1.66。球団記録の28試合連続無失点をマークするなど貴重な左の中継ぎとしてフル回転の活躍を見せた。 プロ7年目となる2025年は「50試合登板」を目標にチームに貢献したいと意気込んだ。 そして、2024年に先発から中継ぎに転向した藤平尚真(26)。 2016年ドラフト1位の藤平は将来を担う先発候補と期待されながらも、2019年から2023年までの5年間でわずか3勝。結果を出せず苦悩する中、今江前監督から中継ぎへの転向を打診された。 「ここで結果を出さないと野球人生が終わる」。藤平は並々ならぬ思いでシーズンを迎え、決死の覚悟で挑んだ2024年、中継ぎとして自己最多の47試合に登板。防御率1.75と抜群の安定感を見せ、勝ちパターンの一角を担った。 さらに、11月に行われたプレミア12では自身初の日本代表に選出されると、6試合に登板し防御率0.00。強化試合を含め9者連続三振と圧巻のピッチングで、まさに大ブレイクの1年となった。
チーム最年長40歳・岸孝之
「3位を目指しているわけじゃない。優勝争いがしたい」。チーム最年長・岸孝之(40)がシーズン終了後、口にした言葉。 岸は2024年チーム2位の防御率2.83をマークし、3年ぶりに規定投球回に到達。CS進出争いが佳境の9月に完封勝利を挙げるなど、気迫の投球でチームを鼓舞した。 「岸さんがあれだけ投げているんだから、自分たちが負けるわけにはいかない」とその姿に刺激を受けた後輩も数多くいた。 2016年オフ、FAで楽天に移籍した宮城県出身の岸。 当時の心境を「自分がバリバリ投げられる時に地元に帰ってきたかった」と独占取材で明かしてくれた。 地元・東北で優勝したいと強く思うからこそ、ここ数年優勝争いに食い込めないチームに歯がゆさを感じている。「若手が出てこないと、チームとして強くならない。そこに負けないように自分も努力するし、歳を重ねても常にキャリアハイを目指す」。 プロ19年目を迎えるベテランは2025年もその背中で示していく。