「トランプ」ネタで支持者からも笑いをかっさらう。 Saku Yanagawaさんが見たアメリカ大統領選と「笑い」の世界。
―――― 幼少期からジム・キャリーらが活躍するアメリカのコメディに親しんでいたSakuさん。大阪大学在学中に、スタンダップコメディアンを志し単身渡米、シカゴの名門コメディ劇団「セカンド・シティ」でデビューを果たす。以降、全米で年間400ステージをこなす傍ら、コメディ・フェスティバルのプロデュースや執筆業なども精力的に行ってきた。 ―――― ―日本のイメージだと、政治ネタは笑える人を選んでしまいますよね。Sakuさんもトランプ風刺ネタをされるそうですが。 Saku:アメリカではテレビでも、笑いの中で政治を真正面から描いてきた歴史があるので、「笑い方が分かっている」というか、「自分とは意見や信条が違っていても、この風刺や皮肉は笑ってもいい」と反射的に判断する「身体性」みたいなものがある気がします。 とはいえ、これだけアメリカ社会の分断が進んでいる今、僕がトランプを風刺するネタをやって、共和党の強い州でお客さんを爆笑させられるかというと、(民主党が強い)シカゴより全然難しいと思いますよ。でも、意見が違う人を笑わせてなんぼの職業ですから、そこでも爆笑を取れるコメディアンでいたいですけど。
―どんなネタをするんですか? Saku:僕は日本人で、英語が苦手でした。そのキャラを生かして、「(歌手の)アリアナ・グランデをスタバのメニュー(グランデサイズ)だと勘違いしてた」というネタがあります。 それをフリにして、トランプ支持者で、2021年に連邦議事堂を襲撃をした極右団体の“プラウド・ボーイズ”を、「(LGBTQの人々への支持を表明する)“プライド・パレード”に参加した“ボーイズ”のことかと思った」というネタとして「てっきり、トランプはLGBTQコミュニティに支持されてるのかと思っちゃった!」と。トランプのモノマネも交えてやると、共和党の強い州でも大爆笑が起こりました。 トランプをネタにしているし風刺もしているけど、笑いのポイントは英語が理解できなかった僕です。