【MLB】 ロイヤルズが救援右腕アーセグをアスレチックスから獲得 元二刀流、アルコール依存症を経て開花した苦労人
日本時間7月31日、朝7時に迫るトレードデッドラインに向け、各球団のトレードが活発化。世界一となった2015年以来のプレーオフ進出を目指すロイヤルズが、アスレチックスから救援右腕ルーカス・アーセグを獲得したと各メディアが報じている。ア・リーグ中地区3位に付けるロイヤルズは弱点のブルペンの補強に成功。アスレチックスは対価として3人の有望株を獲得している。 ボビー・ウィットJr.擁する打線、セス・ルーゴとコール・レイガンズの2枚看板を揃える先発ローテに牽引されてきたロイヤルズは、防御率メジャー24位のブルペンがアキレス腱となっていた。先日、ナショナルズからハンター・ハービー、先発のデプスとしてマイケル・ロレンゼンをレンジャーズから獲得したのに引き続き、アーセグを獲得して投手陣は分厚くなった。 アーセグはメジャー2年目で、38登板・防御率3.68の活躍を見せている。大学時代は二刀流として活躍し、三塁手としてプロ入り。しかし、アルコール依存症・うつ病に陥り、その後投手転向して開花するなど紆余曲折のキャリアを送ってきた。昨年故郷に近いオークランドに移籍して頭角を現し、今年は防御率を1点台近く改善。平均約159キロの速球と被打率0割台のスライダーを売りとしている。 対価としてアスレチックスに渡るのは、先発右腕メイソン・バーネット(球団4位)、救援右腕ウィル・クライン(球団18位)、外野手ジャレッド・ディッキーの3人。リリーバー市場が空前の高騰を見る中、残り5年半の保有期間を残すアーセグを比較的少ない見返りで得ることができた。ロイヤルズはさらにホワイトソックスから内野手ポール・デヨングを獲得するなど、補強を進めている。 西地区最下位のアスレチックスは、主砲ブレント・ルーカーや守護神メイソン・ミラーのトレードも取り沙汰されていた。しかし、GMのデビッド・フォーストは保有期間の長いルーカーやミラーの放出を否定。一方で高騰するリリーフ市場に乗じてアーセグを利益確定とばかりにトレードし、補強ポイントだった投手の有望株を獲得してきた。